出る杭は打たれるが続きが大事!日本だけの理由を語源の歴史も考察!
出る杭は打たれるとは? 意味は、才能や手腕があっても、ねたまれることの例え。
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打たれてる方、結構いらっしゃるのでは?
Contents
出る杭は打たれるとは?意味を詳しく解説!
「出る杭は打たれる」
読み方は「でるくいはうたれる」です。
意味は以下の解説。
才能・手腕があってぬきんでている人は、とかく人から憎まれる。
さし出たことをする者は、人から非難され、制裁を受ける。
(デジタル大辞泉)
才覚をあらわす者は妬まれ、妨げられることのたとえ。また、出過ぎたふるまいをすると憎まれることのたとえ。
(ことわざを知る辞典)
才能と「出る杭」の課題
「出る杭は打たれる」
とは、社会の中で特別に才能があったり、抜きんでた存在であると目立つ者は、その違いを理由に制裁や非難を受ける傾向があるという日本の諺です。
これは一方で、個々の特性や才能が認められにくい社会の姿勢を示しています。
しかし、才能や個性を発揮し、違いを持つことの価値を理解し尊重する現代社会において、この諺の意味は新たな視点で見直される傾向にあるようにも個人的には感じます。
出る杭は出る釘と表現することも!
出る杭ではなく、「出る釘」と評される場合もあるようです。
意味は同じなのですが、でっぱりの状況が違います。
なので・・私個人ですがこう、解釈しました。
杭は上の解釈ですが、釘の場合は出っ張っていると、引っかかってすごく
「危険!」
です。
ケガする場合も‥しかし、杭は怪我しません。
この辺をどう解釈するかで、使い分けも面白いかもしれません。(余談でした)
釘は引っかかって、ケガしますから、上から出っ張った分は、トンカチでたたいてみんなと同じ平らに。
そういう意味かと。
思いっきり、カリスマ発揮の方なら、逆に出過ぎた杭ですが、中途半端な才能の場合は、結構叩かれます。
私は、これは身に染みて体験してきました。
出る杭は打たれるの語源となった由来や歴史のお話!
「出る杭は打たれる」の、語源は「日本発祥のことわざ」です。
語源の説は「三つ」あるので、それぞれに解説します。
有力だと思われる順番に記載します。
稲作伝来時の田んぼの区分けの杭の説!
日本に稲作が伝来したときに、当時の日本では、集団的に活動していたので、このイネを作る田んぼを、区分けするのに杭を打っていたそうな。
ところが、均等に杭を打ったつもりが、1本だけ出っ張っていた。当然この杭は打ってそろえたわけです。
これは田んぼの例ですが、同じように区分けをするのに、柵を受けた場合、柵は基本的に高さを揃えて、また等間隔に打ち込んでいきます。
この杭が凸凹ではシャレになりませんよね。
それを人間社会に当てはめて、いつの時代からか
「出る杭は打たれる」
と、言われるようになったと言う、由来説です。
この場合、区分けされた田んぼや、柵で囲まれた中は、社会や会社など想像してみればよろしいかと。
みんな平均でいるときに、1人だけ目立って言えば「あいつはなんだ?」と言われるわけです。
この場合の
柵 | 社会、コミュニティ、会社 |
杭 | 才能や手腕や出過ぎた行為 |
打つ | 妬み、嫉妬、非難、制裁などなど・・ |
というふうに考えれば、納得が行くかと。
「北条五代記 巻二」(江戸時代)よりの説!
江戸時代に書かれた
「北条五代記 巻二」
の中に
「縦ば出るくゐのうたるると俗にいふごとし」
こういう記述があるようです。
ここの「縦ば」は「例えば」という意味です。
『北条五代記』(ほうじょうごだいき)は、後北条氏の5代(早雲・氏綱・氏康・氏政・氏直)の逸話を集めた書。全10巻。
後北条氏の旧臣で小田原合戦の籠城戦を体験したという三浦茂正(法名は三浦浄心)の著書である『慶長見聞集』から、後北条氏に関わる記事を後に茂正の旧友と称する人物が抄録したもの。
現在の刊本は寛永期のものと万治期のものがある。
(wikipediaより引用)
という本の中に記載されているようですね。
寛永年間というと、1624年~で江戸時代前期のものと思います。
これで2説です。
出る釘は打たれるの出典!
次に紹介するのは
「出る釘は打たれる」
の出典です。
この出典は昭和31年の用例
「そンぢゃけんどわれ、皆がその気なら、あまり憎まれん方がええぞ。出る釘ア打たれるちゅさけな」(須井一『綿』)
こちらは哲学者で評論家でもあった三宅雪嶺氏の作品
「中に際(きわ)だって立身出世するものもあるけれど、さういう事をしなくてもよく、出る釘は打たれる、餘計(よけい)な事をしないに若(し)くはないと思はれる」(「新時代の家庭」『太陽』1925年11号所収)
1925年というと、大正の時代でしょう。
かなり、後の出典ですが、「出る釘」という表現です。
いずれ、出る杭という表現は、江戸時代には普通に使われていたと解釈して、良さそうなので、それ以前には、人々の間では、使われていたんだと思います。
出る杭は打たれるがその続きはどうなるが正解だ?名言から見る!
さて・・ここで、「出る杭は打たれる」のですが、打たれた杭はどうするべきか?
そのまま、打たれっぱなしで涙を呑む?
いえいえ・・ここで、その打たれる原因の才能の、多寡がわかろうというもの。
単なる、目立ちたがりならいざ知らず、事が才能なら、そのままで引き下がってはいけません。
「出る杭は打たれるけど、出過ぎた杭は打たれない」
これですよ。
「出過ぎた杭は打たれない」
これもありですね。これは名言だと思います。
会社のトップに立つ方や、一気に駆け上がったかた・・周囲にいませんか?
こういう方は、出過ぎた杭・・上等じゃあねえか‥の世界の方ですね。
この
「出過ぎた杭は打たれない」
は誰の言葉か?
語源説1 | 松下幸之助氏 |
語源説2 | 堀場製作所の創業者堀場雅夫氏 |
語源説3 | 吉越浩一郎氏 |
松下幸之助氏の場合は「名言集」です。
「出る杭は打たれるが 出すぎた杭は打たれない。」
ですね。いい言葉だと思います。
2番の堀場さんの場合は、自著「仕事ができる人、できない人」にこう書いています。
『堀場はうるさい』『わがままだ』という人物評になってくれるのであれば、私としてもやりやすくなるからだ。『出すぎた杭』は、もはや打たれないのである」
これそのまんまですね。
吉越浩一郎氏は
「出る杭になれ 出ない杭は土の中で腐る。」
これも、また出過ぎた杭に似ているかもしれません。
出ない杭は、土の中ですか~~
尤ですね。
せっかくの自分の良さや、持ってる技術も宝の持ち腐れで、発揮することはないわけです。
ただ、今の社会から見ると、そういう方多そうに感じます。
打たれた経験があると、それが人間関係に発展して、中に引きこもってしまう・・発言もしなくなる。
そんなこともあるように思います・この言葉の語源は不明です‥松下幸之助氏がこの中では一番古いかと。
皆さんはどう思いますか?
出る杭は打たれるを使う場面はどんな時だ?
「出る杭は打たれる」
の言葉を使う場面は
「他人と違う行動を取った際に、批判や反感を招きやすい状況を指すとき」
に使われます
場面1 | 活躍しすぎる |
場面2 | 他を押しのける場面 |
場面3 | 俺が‥ |
場面4 | 辞めておくか‥ |
私は、打たれてばっかです。
何とかしないと‥そんな場面で、誰も手を上げなくても、手を上げればあげたでたたかれる。
なんとも・・な自分でした。
出る杭は打たれるの使い方を例文と会話例の作成で!
自分の経験から、以下のように作ってみました。
例文1 | あの新入社員、すぐに先輩に意見するから出る杭は打たれるよ。 |
例文2 | いつも一人で行動する彼女、出る杭は打たれるという言葉を知らないのかな。 |
例文3 | 奨学金の件で大声を上げると、出る杭は打たれるかもしれないよ。 |
例文4 | 君はいつも独自の意見を持つね、だけど出る杭は打たれることも覚悟しておいた方がいいよ。 |
例文5 | この会社では異を唱えるとすぐ出る杭は打たれるから、注意した方がいい。 |
「出る杭は打たれる」を使って、例文を作ってみました。
たくさん打たれてきましたが、打たれすぎると麻痺もします。
皆さんはいかがですか~~~?
出る杭は打たれるを使った会話例!
以下の会話で。
おれさ~目立つと出る杭は打たれるっていうから、静かにしていたんだけど、役員仰せつかったよ。
おとなしくしてたんじゃ~ないの?なんで?
それがね~~頼まれると、嫌と言えなくって。周囲もずるいよ。それでいて、さっそく一言多いって、長老にたしなめられたよ。
いつになっても、出る杭ね‥あなたって!
妻との会話。
どうも、利用される、出過ぎた杭のようです。
出る杭は打たれるの類義語と言い換えは「分をわきまえる」!
「出る杭は打たれる」の類義語は以下。
分をわきまえる | 自分の地位や身の程をよく知り、出すぎたことをしない |
個性に寛容でない | 自分とは異なる個性を持つ他者の声を受け入れない |
同化を強要する | 態度・思想などが、感化して同じにさせること。 |
横並び志向 | 他と同じであること。 |
言い替え | 分をわきまえる |
などなど。
言い替えとして適当だな~~と思うのは
「分をわきまえる」
にしておきます。
意味は以下の解説。
自分の身の程や分際を承知して、出過ぎたまねをしない。でしゃばった行動を控える。
(実用日本語表現辞典)
ちなみに、2番の個性に寛容ではないは、一番最後に書きましたが、アメリカやヨーロッパの場合は、出る杭でないといけないようですね。
どんどんPR(アピール)していかないと、自分がそのコミュニティーで、埋もれていくようです。
お国が違うと、取りようもまた違います。
出る杭は打たれるの反対語は「わが道を行く」!
「出る杭は打たれる」の、反対語を考えてみました。
打たれるのですから、これはやはり名言の
「でる杭は打たれない」
ですね。
もう一つは
- 「わが道を行く」
わが道の方は、出過ぎた杭かどうかはわかりませんが、何を言われようと、出る杭であろうと、気にしないわけです。
これもおすすめの反対語。
出る杭は打たれるを英語で表現するとどうなる?
出る杭は打たれるを英語で表現すると以下。
1:The nail that sticks out gets hammered in.
2:The best policy is to keep your head down.
他には
3:the nail that sticks out gets hammered down.
4:people that stick out too much get punished.
同じ内容です。
表現方法は、複数あるんですね。
何となくですが、意味が分かりました。
・・・・・・・・・・・
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「出る杭は打たれる」VS「出過ぎた杭は打たれない」- 対比解析
「出る杭は打たれる」
という慣用句は、日本の集団主義や均一性を重んじる文化を反映したもので、一般的に、周囲と異なる行動をとる、あるいは突出した存在であると目立つと、それが否定的な評価や批判を受ける傾向があるという意味合いを含みます。
一方、
「出過ぎた杭は打たれない」
は、「出る杭は打たれる」の言葉の意味を逆手に取った表現で、あまりにも優れた人物や突出した存在は、逆にその存在が認められ、批判や否定の対象にならない、あるいは批判や否定を超越することができるという意味を持っています。
つまり、「出る杭は打たれる」は均一性を重んじる観念を強調するのに対して、
「出過ぎた杭は打たれない」
は、突出した才能や能力が逆に認められる可能性を示しています。
最近は個性という意味も台頭してきているように感じます。
出る杭は打たれる!職場と日本文化を考える!
「出る杭は打たれる」
を考えていると、日本特有の
「日本文化」
めいたものを感じます。
- ・みんなと同じが良い
・目立ってはダメ
そんな文化。
横並びの雇用の構造(終身雇用)は大分崩れたとはいえ、労務の世界ではみんなで渡れば・・つまり個人の権利は守られます。
安易な解雇はご法度。
然し出る杭は打たれます。
職場ではどうでしょうか?
私は大分打たれてきましたから、かなり泳ぎ方は上手くなったような気がします。
「打たれたらどうするか?」
当初は反抗していましたが、徐々に受け入れるように。
そもそも、相手の権限が巨大ですから無駄なのです。
これも日本文化なのでは?
そうもおもいます。
地域ではどうか?
これはもう、手を打ち合って
「シャンシャン」
の世界。
間違っても出過ぎてはいけません。
少しづつのタイミングと、言い回しが大事。
が・・めんどい。
出来ればない方がいいですね。
ず~~っとそう思ってますが、ここに住んでる以上はまかり通りません。
適当に‥
皆さんは如何ですか?
出る杭は打たれる日本の社会構造!感想とまとめ!
「出る杭は打たれる」
本記事内の内容を、以下の一覧の表にまとめてみました。
意味 | 才能や手腕があっても人から憎まれたり、妬まれたりする。 |
語源 | 諸説松下幸之助翁が一番の説。 |
使う場面 | 活躍しすぎる、抜けだす、おれが・・ |
使い方と例文 | 出る杭は打たれるを、何度も体験していると、人間的に打たれ強くなるな。 |
類語 | 周囲から足を引っ張られる、個性に寛容でない、同化を強要する・・など |
言い替え | 同化を強要する |
反対語 | 「でる杭は打たれない」「わが道を行く」 |
英語表現 | The best policy is to keep your head down. |
日本の社会て、なんとなくそう思います。
出る杭=出世!
立場が上になると、当然ですが部下も増えて、やること、つまり仕事の質もどんどん上がり、ノルマも上乗せになる場合も。
当然ですが、出過ぎた杭のような、そんな実力のある方なら、なんてこともないでしょうが、人材難の中で消去法でその場に立った場合は悲惨です。
どんどん、暗くなって・・最後は自分が何をしているのか?
求められるものが、自分の能力以上に高度になった場合の悲劇です。
こういう立場の方・・・意外と多そうです。
出る杭は打たれる・・そんな社会・・いやですね~~
でも、これが現実かもしれません。
皆さんの会社は如何ですか?
出る杭は打たれ続けてきた私の人生!これからはどうだ?
「出る杭は打たれる」
とても日本の社会を、象徴しているといっても、過言ではないような気がします。
日本は、昔から私が住んでいる田舎の地域の、集落を象徴する社会だと思います。
ここでは、何事もうまく回していかないと、地域の和が保てません。
なので、多少おかしいことがあっても、区長が言うのであれば、仕方がねえべ。
そんな世界です。
しかも、文句があってもそれは、口には出しません。
「んだんだ・・そんでええんだ」
で、シャンシャンと手拍子で終わるわけです。
で、家に帰ってから、家族に話して当たるわけですね・・私の場合は。
でも、本音はもちろん、おくびにも出しません。
とてつもなく、大きな事案ならいざ知らず、多少のことであればほとんどが、上のように終わってしまいます。
それで、地域の杭の高さが一定に保たれるんだな。
こういうところに住んでいる以上、やはり会社に行っても、そのようになる傾向があるように思います。
しかし、その裏腹に全く別の人格を、よそで発揮する人もいるわけです。
私は、そんな1人だったかもしれません。
よく打たれました。
特に、上からですが、会議のたんびにやられてましたから、たまにはでっかい声で怒鳴りあっていました。
でも、年齢を経るに従って、出る杭も何も、そんなものはどうでも良いものに、なってきたように思います。
地域の和を考えたら、出る杭はやはりいけませんね。
相手を尊重する気持ちは大事です。
ただし仕事や、価値観を主張する場では、イケイケドンドンでしょう。
使い分けが大事なんだな。
皆さんは、出る杭は打たれるについてどう思いますか?
・・・・・・・・・・・
概算の使い方や意味と例文を紹介しました。
とても都合のいい概算という言葉と、意味を使いこなしましょう。
概算の使い方や例文は?意味や出し方のコツは?英語表現や類義語!
うだつが上がらないのうだつって?
うだつが上がらないのうだつとは?意味や使い方と例文 語源のお話!
これはちょっと、驚きました。
・・・・・・・・・・・
*自分の経験などをもとに書いてますので、多少ずれてるか所もあるかもしれませんが容赦ください。
ヘッダーの写真は愛機のフジ一眼で撮影した昨年の庭のエビネランの花の写真です。