「対岸の火事」の意味と使い方と例文!他山の石と違う!類語と英語訳
「対岸の火事」とは? 意味は、自分には関係がないので苦痛もないことのたとえ。
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「対岸の火事とせず他山の石とせよ」が正しいかな・たぶん!
Contents
「対岸の火事」とは?読み方と意味を簡単に!
「対岸の火事」
読み方は「たいがんのかじ」です。
意味は以下の解説。
自分には関係がなく、なんの苦痛もないこと。
(デジタル大辞泉)
この意味の説明には以下補足。
「向こう岸の火事は、自分に災いをもたらす心配のない」
こういう前提条件が付きます。
川向こうの火事は、川を隔てていますから、こちらに飛び火することはありません。
なので、たとえ他人には大きな災害でも
「自分には関係がないこと」
を意味します。
「対岸の火事」の語源と由来のお話!
「対岸の火事」
の対岸の意味は、川や湖を隔てた
「向こう側の岸または向こう岸。」
のこと。
向こう岸で起きている火事は、川や湖を隔てているので
「自分たちに災害は及ばない」
そのような
「心配」
はするに及ばず!
そのような意味から
「対岸の火事」
という表現が生まれ、やがて
「ことわざ」
として定着したというのが通説。
「対岸の火事」の現在の使われ方!人間性が現れる言葉
「対岸の火事」
は使い方によっては人間性を疑われる場面もあるように思います。
どんな場面?
大きな災害や不幸な場面で
「対岸の火事だから自分たちには関係がない」
こういう考え方は、思っていたとしても言葉にはしない方が無難。
まるで自分だけ良ければ良い、そのようにも取られかねません。
「対岸の火事」
の多くの場面での使われ方に以下のような場面。
- ①:今回の災害を「対岸の火事」とせず自分たちも、備えを充分にしなくてはならない。
②:「対岸の火事」とは考えずに自分たちの災害として受け止めるべきだ。
③:「対岸の火事」から学ぶべきものは多数ある。
このような
「戒めの言葉」
として使うのが一般的です。(とても多いです)
が・・持っている意味はあくまでも
「他人事」
です。
が・・ビジネスの場面ではそうとも限りませんが、その辺は後ほど。
「対岸の火事」と「他山の石」の明確な違い!
「対岸の火事」
と
「他山の石」
は違います。
まずは意味の比較を
「対岸の火事」
自分には関係がなく、なんの苦痛もないこと。
(デジタル大辞泉)
「他山の石」
意味は以下の解説。
よその山から出たつまらない石。転じて、自分の修養の助けとなる他人の誤った言行。
(デジタル大辞泉)
「他社の不祥事を「他山の石として」品質の維持に全社を挙げて取り組む」
のような使い方。
以下の表にしてみました。
対岸の火事 | 自分には全く関係のないこと。他人事。 |
他山の石 | 「誤ったことを自分の行いの参考にする」 |
他山の石の認識で
「良いことを自分の参考にする」
は誤りです。
「誤ったことを自分の参考にする」
が正しい。
混同しないように注意しましょう。
以上のように、まったく違います。
しかし、「対岸の火事の戒め」としては
「他山の石」
の考え方は合っていると思います。
あくまでも「戒め」としてですが。
「対岸の火事」の使い方を場面と例文と会話例で!
この章では
- ・「対岸の火事」を使う場面。
・使い方を短文の例文で。
・「対岸の火事」を用いた会話例。
を解説します。
「対岸の火事」を使う場面は?
「対岸の火事」
を使う場面を、何点か以下の表に具体的に挙げてみました。
場面➀ | 助けたいがどうすることもできない |
場面➁ | 備えに対する戒め |
場面➂ | 人間関係の教訓 |
場面➃ | ビジネス現場の戒め |
場面➄ | 関係ないほうが良い場面 |
「対岸の火事とせず」
と感じ、助けたいと思ってもどうにもならない時があります。
ビジネスの現場では、教訓として積上げるのが一般的と思います。
「対岸の火事」の使い方を短文の例文で!
以下の例文で。
例文➀ | 大震災の時は同じ県民としてとても「対岸の火事」という感情で済ますことはできなかった。 |
例文➁ | 災害が起きるたびに「対岸の火事」とせず、備えを万全にしておこうと思う。 |
例文➂ | 他部署での不祥事を「対岸の火事」とせずに、当部署でも点検は十分に行うべきだ。 |
例文➃ | 仕事上のミスを「対岸の火事」とするのは誤りであって、誰でもミスは行うものだ。 |
例文➄ | 近寄りがたい方には「対岸の火事」という対応が正しい場面が多いな。 |
例文⑥ | 同じ集落内の不幸は、とても「対岸の火事」と済ませることは相互の感情から不可能だ。 |
私の今思っていることなどを例文にしてみました。
「対岸の火事」
で済ませていいものと、いけないものがあると思います。
「臨機応変」に。
しかしながら、どちらかというとやはり
「戒め」
の意味で使う方が多いと思います。
「対岸の火事」を使った会話例!
以下の会話例で。
日本って災害が多いと思わない?特に近年の傾向だけど。
自身が多いのは昔からだけど、集中豪雨がすごいな~~と思う。
ここではそんなことないと思うけど、ここも当然日本だから「対岸の火事」とは思わない方がいいよね。
当然さ。備えあれば憂いなしっていうからね。日頃の備えが大事だと思う。
私の正直な考えです。
同じ日本に住んでいれば、どこの地域であろうが、災害の可能性はあり得るわけです。
「対岸の火事」
と思わず普段から心がけておくことが大事ですね。
「対岸の火事」の類義語(類語)と言い換えは「他人事」!
「対岸の火事」
の類義語(類語)は以下。
無関係 | その事とかかわりがない |
他人事 | 自分に関係ないこと |
余所事 | 自分とは関係のないこと |
高みの見物 | なりゆきを興味本位に傍観すること |
傍観 | ばで見ていたり、ながめていたりする |
言い替え | 他人事 |
「言い換え」
として適当と思うのは
他人事
です。
どれも言い換えとしてよさそうに思うのですが、一つ選ぶなら私は
「他人事」(ひとごと)
意味は以下。
- ①:「自分には関係のないこと」
②:「他人に関すること」
戒めの思いは全くない
「対岸の火事」
の本来の意味です。
多くの場面で置き換えとして機能すると思います。
「対岸の火事」の反対語(対義語)は「他山の石」!
「対岸の火事」
の反対語を考えてみました。
意味は
「自分には関係がないこと」
ですからその反対なら、その火事に積極的にかかわることが言えるかと。
ではどのようにかかわる?
関係がないものごとでも、関係を持つことには
「干渉」
がありえます。
しかし、無関係なことを教訓にすることがむしろ「反対語」といえるかもしれません。
あえて
「他山の石」
を反対語として提案します。
意味は、比較のところで解説しました。
また、こちらで詳しく解説したので興味のある方は参考にしてください。
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「対岸の火事」を英語で表現!
「対岸の火事」
試しに検索で。
「対岸の火事」:fire on the opposite shore
いいのかな~~とも思うのですが、他の英訳も
①:fire on the opposite shore
②:not related to me
③:nothing to do with me
④:It’s somebody else’s problem.
この表現でいいのですね。
検索は久しぶりにヒットでした。
いろんな表現があって参考になります。
英語の考え方って、かなり頭の体操にはなるイメージがあります。
頑張って覚えていきます。
「対岸の火事」の思いと感想とまとめ!
「対岸の火事」
の上の内容を以下の表にまとめてみました。
➀:意味 | 自分には関係がないので苦痛もないことのたとえ。 |
➁:語源と由来 | 「対岸」の火事そのものの考え方と思われる。 |
➂:使う場面 | 不幸(災害、ミス等)が生じた場面・他 |
➃:使い方を例文で | 災害が起きるたびに「対岸の火事」とせず、備えを万全にしておこうと思う。 |
➄:類語 | 無関係・他人事・余所事・他 |
⑥:言い替え | 他人事 |
⑦:反対語 | 他山の石 |
⑧:英語表現 | fire on the opposite shore |
意味のおさらいです。
自分には関係がなく、なんの苦痛もないこと。
(デジタル大辞泉)
自分には関係がないことと思っても、その実同じようなことは起こりうるわけです。
その時
「転ばぬ先の杖」の役割をする
「戒め」
の諺に感じます。
実際使われる場面では、そのような意味での使い方が多いように感じます。
「他山の石」
とは、本来の意味からすれば、やはり対極にあるように感じます。
「対岸の火事」の良いお話!私の人生!
「対岸の火事」
の良いお話です。
人生長く生きてきましたから、正直なところ
「対岸の火事」
でよかった・助かった。
そんな思いも、何度も体験してきました。
確かに「戒め」の諺にも感じますが、その実
「俺には関係ない」
も非常に多いのも事実。
実際そうなのですから仕方がないと突っぱねることも多数。
ある意味
「都合のいいことば」
なんだな。
- ①:誰にでも起こりうることだから対岸の火事と思わない方がいい。
②:今回の件は俺には無関係だから対岸の火事で済ませよう。
これ、戒めと無関係の意味。
使い分けられることわざなんだな・・思えば。
これが「良いこと」。
でも、露骨な対岸の火事という表現は、周囲から顰蹙を買う場面もあると思うので、注意したほうがよさそうに思います。
皆さんはいかがですか?
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*ヘッダー(最上部)の写真はわたしが撮影した鎌倉鶴岡八幡宮の銀杏木の写真です。
なんとも悲しいいわれのある銀杏の木ですね。
倒れたとは残念。