背水の陣の意味と使い方と例文!類語と反対語や由来と英語表現!
背水の陣とは? 意味は、逃げ場はないという覚悟のうえで物事に取り組むことの例え。
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私は常に背水の陣かも!
Contents
背水の陣とは?意味を詳しく解説!
「背水の陣」
読み方は「はいすいのじん」です。
意味は以下の解説。
川や湖、海などを背にした陣立て。もう逃げ場はないと覚悟した上で、ものごとに取り組むことのたとえ。
(故事成語を知る辞典)
文字通り、川や海を背にした陣立てですから、前に出ないことには、川に落ちて絶望的。
兵士を、命がけにさせる意識としては、最高の陣立て・・しかし、それも勝ち(勝利)を確信していないとできない相談かと。
この辺は次の項で。
その内容から「背水の陣」という、上の解説の
「もう逃げ場はないと覚悟した上で、ものごとに取り組む」
この考え方が、生まれました。
逃げる場所がなくなったときの心理、絶体絶命の最後の残されたチャンスに、立ち向かう場面を表現した故事に習った言葉。
背水の陣の語源は「史記」の「淮陰侯伝」に由来!
出典は、司馬遷の書いた「史記」の
「淮陰侯伝(わいいんこうでん)」
によります。
淮陰侯:韓信(漢の将軍)
紀元前204年頃のお話。
秦の始皇帝が亡くなって、お国は混乱して、やがて漢を建国した「劉邦」と、楚の将軍「項羽」の一騎打ちに。
韓信はなぜ川を背にした?実は勝利を確信していた!
場所は井脛口(せいけいこう)という場所。
現在の河北(かほく)省井脛(せいけい)県の北の方と言います。
韓信軍は、川を背にして約3万。
対する趙軍は大将が「成安君(せいあんくん)」で30万とも。
韓信は名将軍で、連戦連勝の常勝将軍。
まるで、秦の昭王の時代の軍神と言われた「白起」を連想します。
3万とは言え、川を背にして布陣した時点で、命がけです。
やる気が違います・・命がかかってますから。
対する趙軍は、それを見て笑い、兵法を知らないやつ・・そういって慢心します。
戦う前から、勝利に酔ってたんだな。
が‥ここで韓信の核心技。
30万と言われる軍が、砦を出たらそこはもぬけの殻同然。
そこで部隊の数千を、別動隊にして、この砦を占拠して、漢軍の旗を立てた。
激突の最中に、砦が落ちたということで、趙軍はあっという間に総崩れ。
実はこの趙軍、そもそもが大将同士が不満たらたらの、まとまりを欠く軍隊で、真剣にやる気がない。
軍規もないに等しく、我さきの功名心のみの方の、集まりのようなもの。
崩れた瞬間に、四散霧消してしまいました。
という、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」のお話です。
これは面白かった!
是非読んで見ることをお勧めします。
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韓信の作戦勝ちですが、これは確信を持っていました。
なので、同じ「背水の陣」でも、勝つ可能性がないのなら、それは「背水の陣」とは言わないと思う。
負けると思って、する戦は「玉砕」するだけですから。
勝つという「確信」をもって、向かうんです。
これがこの「背水の陣」の本当の意味。
現代の意味も、「背水の陣」で立ち向かうという時は、やれば乗り越えられるという、覚悟を持つことが大事なんだと思いますよ~~~
それこそが「背水の陣」の意味の核心だと思います。
背水の陣を使う場面を考えてみた!
「背水の陣」
を使う場面は、やはり追い込まれたとき。
覚悟を決めて、立ち向かう時ですね。
どんな場面?
場面➀ | 企業の存亡をかけたプロジェクト |
場面➁ | ここを乗り切れば・現代では中国の不動産会社のような |
場面➂ | NPBの日本一決定戦で後がない |
場面➃ | これ失敗したら俺後がない |
場面➄ | 自分の意識を後戻りさせないために公開する |
などなど・場面は多岐にわたり、一歩も譲れない、しかも切羽詰まった状態で、後がなくやるしかないという、まさに正念場の時。
必死の覚悟の場面。
背水の陣の使い方を短文の例文の作成で!
以下のように短文での例文を、作成してみました。
例文➀ | 家のローンも始まったばかりなのに、転職するとは?ここは腹をくくって「背水の陣」で臨まないと、先が無いな。 |
例文➁ | この仕事、受けた以上は「背水の陣」で臨まないといけない・・失敗したら当然首だ。 |
例文➂ | 夫婦の間に「背水の陣」というのは、成り立つのかな?世の中には、そういう方もいるかもしれんなあ~ |
例文➃ | ある意味「背水の陣」という考え方は、退路を断って覚悟を決めて取り組むという意味では、とても有意義な考えだと思う。 |
例文➄ | 困難に出会ったときに、「背水の陣」という言葉で鼓舞してきたが、この言葉は軽くなったな~~という印象を受ける。 |
例文⑥ | 定年して、「背水の陣」とはいえ、年金があるので意味合いとしてはチョト弱いね。 |
などなど。
30代の時に、家のローンが始まって数年で、会社の業績が悪化。
転職を余儀なくされたときの覚悟は、まさに「背水の陣」だったな~~
今では、懐かしいです。
背水の陣の会話例!
以下の会話例で・
お父さん、ローンがまだ始まったばかりで、会社辞めてどうすんの?大丈夫?
俺、立場上責任取らないとね。これからはいばらの道かもしれないけど「背水の陣」の気持ちで向かっていくよ。
気持ちで、お金がどうなるもんなら、私だって・・とはいってもどうにもならないけど。とにかく路頭に迷わせないでね。
わかってるさ!
こんな状態だったな~~確か39歳の時。
この先20年以上のローンの支払いが。
国内の空洞化が進んだ時期です。
背水の陣の類義語(類語)や言い換えは「万事休す」!
背水の陣の類義語(類語)は以下。
四面楚歌 | 周囲が全て敵で反対者ばかり |
万事休す | 採るべき手段がなく万策尽きる |
孤立無援 | 自分だけで誰も助けてくれない |
進退窮まる | どうすることもできない窮地に追い込まれる |
絶体絶命の危機 | どうすることもできない苦境 |
言い替え | 「万事休す」 |
などなど・
「言い換え」
に適当な言葉を、考えてみたのですが
「万事休す」
を上げておきます。
「万事休す」
なら、可能性が残ってる状態
意味は以下の解説。
もはや施す手段がなく、万策尽きる。もはやおしまいで、何をしてもだめだという場合に使う。
(デジタル大辞泉)
多くの場面で置き換えとして機能すると思います。
背水の陣の反対語(対義語)は四字熟語の「余裕綽々」!
背水の陣の反対語(対義語)を考えてみました。
反対ですから、わざわざ覚悟を決めた戦でもないんだな。
順風満帆な状態なのでは?
そうも考えてみました。
自分を追い込むこともないわけです。
なので
「余裕綽々」(よゆうしゃくしゃく)
を反対語として、上げておきます。
覚悟を決めて、対応するようなことではない、そんな意味を考えれば、この「余裕綽々」が適当かな~~と、個人的に考えた次第です。
*諸説あって当然で、私の意見として解釈ください。
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好きな言葉です。
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背水の陣を英語で表現!
後戻りできないとか、追い込まれているという、そんな英文で。
以下の英訳です。
have one’s back against the wall.
(彼は追い込まれている:彼は背水の陣を引いている)
(後戻りできないように橋を爆破した)
(DMM英語)
これは、そのまんまですね。
このまま、覚えてもよさそうに感じます。
いい表現だと思います。
背水の陣のいい話!感想とまとめ!
「背水の陣」
の上記の内容を、以下の表にまとめてみました。
➀:意味 | 逃げ場はないという覚悟のうえで物事に取り組むこと |
➁:語源と由来 | 楚漢戦争の韓信の布陣から。 |
➂:使う場面 | 退路を断ってことに臨む場面 |
➃:使い方を例文で | 家のローンも始まったばかりなのに、転職するとは?ここは腹をくくって「背水の陣」で臨まないと、先が無いな。 |
➄:類語 | 四面楚歌・万事休す・孤立無援・他 |
⑥:言い替え | 万事休す |
⑦:反対語 | 余裕綽々 |
⑧:英語表現 | have one’s back against the wall. |
意味のおさらいです。
川や湖、海などを背にした陣立て。もう逃げ場はないと覚悟した上で、ものごとに取り組むことのたとえ。
(故事成語を知る辞典)
将軍の韓信が、川を背に布陣したことが由来です。
兵士は絶体絶命感に、自らを鼓舞するしかなかったわけです。
しかし、韓進は周到に作戦を立て、必勝態勢だったんだな。(内容上記で紹介)
人間は、何事も「心」が原点だと思います。
こころが「やる気」にならないと、何事も前に進みません。
必死さも「心」かと。
難しいことはわかりませんが「心」と「気持ち」が、立ち向かえと言っていれば、行動に移るんだと。
但し、この「心」は現代では、かなり難しいテーマだな~~と思うんだっけな~~
背水の陣の私のいい話!・・かもしれない!
「背水の陣」
好きな言葉です。
覚悟は、やはりこうでなくてはならないと思うんだっけね~~
私は、もう定年を迎えますが、若いころにはかなり自分を追い込んでいたような気がします。
自分を自ら「逆境」に置くことで、鍛えていく・・そんな感情を持っていました。
いいこともあれば、悪いこともあるのですが、総じてやる気だけはいつも持っていたな~~と。
勿論、言葉倒れで、うまくいかないことも多数ありましたし、多くの恥もかいてきました。
旅の恥はかき捨て・・なんていうようですが、人生の恥も今となれば、同じようなものと感じます。
「背水の陣」
は、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」(全3巻)を読んで知りました。
すごくおもしろくて、一気読みでした。
歴史は、人生のお手本でもあり得ます。
とても参考になりますし、大昔の時代に・・と思うと、感慨深いものがあります。
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しかし、時間が過ぎていくのは、本当に光のようだな~~
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*ヘッダーの写真は、私が撮影した、岩手県の錦秋湖の紅葉の写真です。