「胡蝶の夢」の意味と使い方と例文!英語訳と由来の漢文や類語解説!
胡蝶の夢とは? 意味は、夢と現実が区別できなく、また人生のはかないことのたとえ。
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「胡蝶の夢」は司馬遼太郎の小説でも有名!
Contents
胡蝶の夢とは?読み方と意味を詳しく!
「胡蝶ノ夢」
読み方は、「こちょうのゆめ」です。
意味は以下の解説。
自分と物との区別のつかない物我一体の境地、または現実と夢とが区別できないことのたとえ。
(デジタル大辞泉)
夢と現実の違いは、実ははっきりしないということ。また、人生のはかないことのたとえ。
(故事成語を知る辞典)
夢と現実の境があいまいで、区別できない、人生の儚さを感じる言葉。
奇麗な言葉ですが、意味はかなり重いです。
➀:夢と現実の境の区別
➁:自分と物の区別がつかない
この二つに込められた思い。
解説で、即理解できる方、私はすごいと思います。
私は考え込みました。
語源の詩の解説で少し理解が深まります。
「胡蝶の夢」の語源は荘子の「斉物論」に由来!
荘子の
➀:「斉物論」の故事を解説。
➁:物語と漢文の原文を紹介。
について解説。
「胡蝶の夢」の故事の物語とは?
「胡蝶の夢」の物語は以下。
あるとき、思想家の荘周(荘子)は、胡蝶(ちょうちょ)となった夢を見ました。花から花へと飛び回っているのが楽しく、自分が荘周だとはまったく意識していません。ところが、夢から覚めてみると、びっくりすることに荘周なのです。そこで、彼は考え込みました。はて、荘周が夢で胡蝶となったのか、それとも胡蝶が夢の中で荘周になっているのか。荘周と胡蝶とはもちろん別ものではあるけれど、お互いに変化し合えるものなのだなあ……。
(故事成語を知る辞典)
「荘子」
の哲学は、
自分と自分以外のものは、絶対的な区別はなくすべてにわたり、一体である
と・しかし、これは何とも難しい。
荘子が「胡蝶」(ちょうちょ)になって、花から花に飛び移る胡蝶の姿は、楽しくもありはかなくも見えるという、そんな解釈がされるように。
そこから「胡蝶の夢」の意味が生まれました。
「胡蝶」
ならず、人間も飛び回りますが、さて楽しいのかな~~など、そんなことを考えたらやはり
「はかなさ」を感じます。
「胡蝶の夢」の漢文の原文解説!
「胡蝶の夢」
の原文は以下。
昔者荘周夢為胡蝶。栩栩然胡蝶也。
自喩適志与。不知周也。俄然覚、則蘧蘧然周也。
不知、周之夢為胡蝶与、胡蝶之夢為周与。
周与胡蝶、則必有分矣。此之謂物化。
内容は、上の故事の物語で、紹介した内容です。
確かに
「胡蝶之夢」
ですね。
荘子と「斉物論」の内容を解説!
「荘子」
という方は、こんな方です。
生きた時代がすごいです。
荘子(そうし、紀元前369年頃 – 紀元前286年頃)は、中国戦国時代の宋の蒙(現在の河南省商丘市民権県)に生まれた思想家で、『荘子』(そうじ)の著者とされ、また道教の始祖の一人とされる人物である。
(wikiopediaより)
紀元前の方。
「斉物論」とはこんな書。
人間の認識は虚妄,相対的であるから,否定的思弁によって,無の境地にいたって絶対的,一元的認識があることを説いている。
(ブリタニカ国際大百科辞典)
という、壮大な書です。
気になる方は、極めて見るのもいいかと。
胡蝶の夢の使い方を場面と例文と会話例で!
この章では
- ・胡蝶の夢を使う場面。
・使い方を短文の例文で。
・胡蝶の夢を用いた会話例。
を解説します。
胡蝶の夢を使う場面は?
「胡蝶の夢」
を使う場面は、現実が夢のようで、夢が現実のような、そして人生の儚さを感じる。
そんなとき・・具体的な場面をいかに考えてみました。
場面➀ | 両親の人生を思い・ |
場面➁ | これは夢か果ては現実か? |
場面➂ | 苦労してきたのになんで? |
場面➃ | 彼女とのことは、今となればまるで胡蝶の夢 |
場面➄ | パッと咲いてパッと散る |
なんとなく、それとなく
「胡蝶の夢」
っぽい場面かと。
- 「夢か現実か・・まさか!」
なんて場面、ありませんか?
人生長く生きていると、結構あるもの。
「胡蝶の夢」の使い方を短文の例文で!
以下の例文で。
例文➀ | 父は、苦労して家を立て直したのに、余裕が命取りになって「胡蝶の夢」のような人生だった。 |
例文➁ | 母は、当時の苦労を思い出し、夢で父が、会いにきてくれたと「胡蝶の夢」の如しだ。 |
例文➂ | 若い時の彼女に偶然会ったが、まるでこれは「胡蝶の夢」のようで、現実か夢か? |
例文➃ | 夢の中で、私は彼女と一緒だったが、夢なら覚めないでほしいと願う、「胡蝶の夢」のようだった。 |
例文➄ | 人生、まだ終わってないけど、振り返ればまるで「胡蝶の夢」のようにはかないものだ。 |
例文⑥ | 一代で、やり遂げた仕事も、亡くなれば儚いもので「胡蝶の夢」のようなもの。 |
私の生きた経験や、父と母のことなど。
特に、母は89歳で高齢でも、元気です。
特に「胡蝶の夢」を感じるな~~と。
私の周辺のことなどを、思い浮かべながら、短文での例文にしてみました。
「胡蝶の夢」を使った会話例!
以下の会話例で。
夕べの夢はえがったな~~。
へ~~どんな夢?お金持ちにでもなった?
意中の女性とあらぬところでデートして、これって現実??「胡蝶の夢」か‥(一人頭の中で考えて無言・・・)
何ニヤニヤしてんだ?さては悪い夢でも見た?
男である以上は、こんな夢もたまには見ます。
思いが現実になることは、勿論ないのですが、願望が夢になり、そして現実と夢の間をさまよう。
「胡蝶の夢」
いい言葉です。
胡蝶の夢の類義語(類語)と言い換えは「夢か現か」!
「胡蝶の夢」
の類語(類義語)は以下。
夢か現(うつつ)か | 意外なことの出現に、それを半ば疑う気持でいるさま |
白昼夢 | 非現実的な幻想にふけること |
盛者必衰 | 勢いのさかんな者は必ず衰える |
栄枯盛衰 | 栄え、衰える。世の中はこれを繰り返すこと。 |
邯鄲の夢 | 人の世の栄枯盛衰のはかないことのたとえ |
言い替え | 夢か現か |
他にも、沢山あります。
やはり人生を語る言葉は、多いんだな~~と。
言い替えとして、適当だな~~と思うのは
- 「夢か現か」(ゆめかうつつか)
にしておきます。
多くの場面で、置き換えとして機能すると思います。
正式な解説は以下。
夢の中でのことなのか、それとも現実に起こったことなのか。多く、意外なことの出現に、それを半ば疑う気持でいるさまをいう。
(日本国語大辞典)
古くは、御伽草子(室町末期)に記述があります。
胡蝶の夢の反対語(対義語)は「現実主義」!
「胡蝶の夢」
の対義語(反対語)を考えてみました。
夢か現実か、自分と物の区別がつかない・・人生の儚さを感じることの、反対なら・・さて?
夢というのは、空想ともとらえられるかと。
自分と物の区別がつかないとはいっても、現実は自分は人であって、物はモノだと。
であれば
- 「現実主義」
が、反対になるかな~~と考えました。
「現実主義者」を「リアリスト」とも表現します。
これは「浪漫」の対義になります。
「胡蝶の夢」
を浪漫ととらえれば、こうなるのかな~~と。
*私の個人的な見解なのでそれなりに。
胡蝶の夢を英語で表現!
試しに検索で
「胡蝶の夢」:Butterfly dream
そのまんまですね。
他の英訳も
➀:The Butterfly Dream
➁:an evanescent life (儚い人生:胡蝶の夢)
➂:Life is but a dream.(人生は夢に過ぎない)
なるほど~~ですね。
今回は、例文は割愛します。
上の構文で十分かと。
胡蝶の夢は司馬遼太郎の小説!あらすじなど!
「司馬遼太郎」
詩の小説に
「胡蝶の夢」
があります。
司馬遼太郎氏が、幕末の医療という目で、また身分制度という観点から見た小説。
幕末の激動期、15代将軍徳川慶喜公の苦悩と、奥医師に疑問を抱いた主人公が、長崎の海軍伝習所での、本格的な
「医学伝習所」
を作り、活躍する物語。
師である「ポンペ」が持ち込んだいう
「カメラ」
が登場するんだな~~
幕末の激動期は、日本の大変革期ですね。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
「胡蝶の夢」を映画「マトリックス」に重ねて!
映画「マトリックス」
の主人公「ネオ」は、現実とあちらの世界を行ったり来たりします。
どうやら、この二つの世界はともに
「現実」
世界が二つ、同時進行してる?
そんな感想を持ったのですが、今
「胡蝶の夢」
を書きながら、思った次第。
この映画は、すべてのシリーズを映画館で観ました。
数年前の「レザレクションズ」でしたか‥あれもみました。
これは、ちょっといまいちでしたが、懐かしくてとても楽しませていただきました。
それと、映画なら夢の世界からの期間みたいな
- ➀:渡辺謙
➁:レオナルド・ディカプリオ
共演の映画
「インセプション」
「人は寝ている間は夢を現実と思っている」
こんなデカプリオのセリフ。
この映画、面白かったな~~
胡蝶の夢のいい話!感想とまとめ!
➀:意味 | 夢と現実が区別できなく、人生のはかないたとえ。他 |
➁:語源と由来 | 荘子の故事による |
➂:使う場面 | 夢か現実か・人生の儚さを感じる場面 |
➃:使い方を例文で | 一代で、やり遂げた仕事も、亡くなれば儚いもので「胡蝶の夢」のようなもの。 |
➄:類語 | 夢か現(うつつ)か・白昼夢・栄枯盛衰・他 |
⑥:言い替え | 夢か現か |
⑦:反対語 | 現実主義 |
⑧:英語表現 | The Butterfly Dream. |
意味のおさらいです。
自分と物との区別のつかない物我一体の境地、または現実と夢とが区別できないことのたとえ。
(デジタル大辞泉)
とても「哲学的」な言葉に感じます。
現実世界に生きていて
「これは夢か?」
そう思うことは、誰でもあるかと。
- 「夢なら覚めてほしい」
「夢なら覚めないでほしい」
まさしく「胡蝶の夢」かと。
胡蝶の夢の良いお話!私なりにわかりやすく!
「胡蝶の夢」
に思う、私のいいお話。
人生長く生きていると(65年以上)、夢物語は何度もあります。
この夢、覚めないでほしいとか、まさかこれ夢だろ?
そんな現実も。
でも、夢物語だと思っていたことも、何とか現実にしたこともあります。
人間だれしも
「夢」
って持ってると思うんだな。
勿論、その夢は実現不可能のことであったり、自分には無理そうでも、ほかの大多数の方は、実現していることの場合も。
例えば、例として、マイホームとか。
荘子の哲学にある「胡蝶の夢」とは、実現するべきものと、私は理解します。
時代は中国の戦国の世。
戦略的な同盟で、あっちにくっついて、こっちにくっついて、破棄してまるで
「胡蝶」
のようでは、夢と現実を行ったり来たりで、大成ができず
「物化」
は難しい、そんなことを言ってるようにも、私は感じました。
置き換えて今の時代、自分がどうしたいか、それが大切なのでは?
なぜなら、いま私は、現実に生きていますから。
*私の感想なので、権威のある方のお話とは違っても、容赦ください。
取り方は、様々だと思いますので。
・・・・・・・・・・
*ヘッダーの写真は、私が撮影した、奥入瀬渓流の5月の風景写真です。
とてもいい風景でした。
遊歩道は、歩いていてとても気持ちがよかったです。