線状降水帯とは?いつから発生を予測?メカニズムをわかりやすく!
線状降水帯とは? 意味は、線状に延びる降水帯で積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらします。
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近年の雨は怖いほど降るな~~。
Contents
線状降水帯とは?定義はどうなってる?
「線状降水帯」
読み方は「せんじょうこうすいたい」です。
意味は以下の解説。
線状に延びる降水帯。積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらす。規模は、幅20~50キロメートル、長さ50~300キロメートルに及ぶ。台風に伴って発達した積乱雲が螺旋らせん状に分布する、アウターバンドが線状降水帯になることがある。
(デジタル大辞泉)
積乱雲というと「雷雲」をイメージしますが、この激しい雨をもたらす「積乱雲」が、幅20~50kmで、長さが300kmとなると穏やかではないです。
しかも、その積乱雲が、風上側に新しい積乱雲が次々と発生し風下に送り付ける。
(気象庁HPより)
激しい雨の地域が、その長さの地域で、切れ間なく一気に豪雨になる。
そんなイメージ。
これは尋常ではないです。
線状降水帯の用語ができた背景と歴史!
以前から、日本で起きた集中豪雨のうち
- ➀:3分の2が線状降水帯による
ものと、指摘されてます。
この線状の降水域が頻繁にみられることから、2014年(平成26)8月の豪雨による広島市の土砂災害以降に
- ➁:線状降水帯
という言葉が、頻繁に用いられるようになりました。
線状降水帯の予報(予測)はいつから始まった?
「大雨」
の予報で、たまに聞く言葉ですが、実はこの予報はすごく新しい。
始まったのは
「2021年」
から。
季節的には梅雨時~
➀:6月以降~
となります。
然し、温暖化で季節が早まれば、もしかしたらもっと早い時期に、積乱雲が発生??
まさかとは思いますが。
予報基準は以下。
- ➁:避難が必要な状況
➂:大雨警戒レベル4相当以上の状況
➃:予想は発生予測の半日前
さらに此方も参考に。
「顕著な大雨に関する気象情報の発表基準」
➄:解析雨量で前3時間積算降水量が100mm以上の分布域の面積が500km2以上
➅:1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上
➆:1.の領域内の前3時間積算降水量最大値が150mm以上
➇:領域内土砂災害、洪水災害の警報基準を超過
(気象庁HPより)
これはちょっと尋常ではないです。
こうなったら、早めの非難が最も大事。
線状降水帯が発生するメカニズム!発生する条件と寿命を考える!
発生するメカニズムや、条件は詳しくは解明されてないようです。
しかも、高精度で事前に予測することは、かなり難しいと。
が・・そうは言っても、積乱雲のメカニズムはわかっています。
- 積乱雲:夕立のような強い雨:寿命は約1時間ほど
です。
この積乱雲が、立て続けに切れ間なく発生して、雨を降らせるのが
「線状降水帯」
積乱雲の発生~のメカニズムは
- ➀:暖かく湿った空気が地表近くに継続して流れ込む
➁:前線などの影響で上昇気流が発生 → 積乱雲発生
➂:風で一方向に流され、その方向にどんどん積乱雲が補充される
(気象庁HPより)
これが、「線状降水帯」のメカニズムと言われています。
特に、➂番の風がポイント。
1方向に、長さ300kmにもわたるので、とても危険。
線状降水帯の予測方法と的中率!スパコン富岳が貢献!
予測方法は概ね以下。
- ➀:計算はスパコンの富岳を活用
➁:水蒸気予測用マイクロ波放射計17か所設置
➂:海の上は観測船に人工衛星観測システム搭載
観測方法は、衛星からの電波の受信を行った際の、わずかなタイムラグ(わずかな時間差)を測定。
それによって、開場の大気中の水蒸気量を測定します。
観測船は2隻で、四国から南シナ海に交代で配備。
更に、2022年度中に
- ➃:海上保安庁
➄:民間のフェリー
の協力で、16隻体制になります。
・予測精度
これまでの予測制度は約
- 「25%」
です。
あんまし良くないですね(個人的な一般論)
しかし、2022年度中に、観測船は
- 二隻 → 16隻
になると、格段に精度が上がるかと思います。
期待しましょう。
*発令後は、身の安全をとる行動が大事ですよ~~~
線状降水帯が発生すると予測される時期!過去の発生状況!
「線状降水帯」
が発生すると、予想される期間は
「6月以降~概ね9月」
です。
2021年大雨に関する予報(線状降水帯の発生)は17回!
2021年の実績ですが、なんと~~
「17回」
も発令されています。
驚きます。
最初は
➀:6月29日沖縄本島地方
・・・
➁:9月8日徳島県南部
この間に17回です。
驚く頻発。
この予報の前には、その前提条件になる大雨が、降っているのですから、避難するが前提になります。
9月は、秋雨前線の影響もあり、区別が難しそうですが、最近は温暖化ですので、もしかしたら
「線状降水帯」
の予報が、毎年出るかもしれません。
線状降水帯ができやすい場所ってある?地域の特徴など!
この「線状降水帯が多い地域は
➂:九州地方
➃:四国地方
に多く発生する傾向があります。
2021年と過去の線状降水帯の発生状況!
西日本の地域が多いですね。
確かに、湿った空気が入りやすそうですから、そうなるのかな~~と。
2021年の実績を見ると・・・
- ➀:沖縄地方:一回
➁:東京都伊豆地方:一回
➂:鳥取県:一回
➃:鹿児島県:二回
➄:島根県:二回
➅:福岡県:二回
➆:熊本県:一回
➇:広島県:一回
➈:佐賀県:二回
➉:長崎県:三回
11:徳島県:一回
合計17回・・こんな内容。
確かに、九州が多いですね
またそれに近い、中国地方が多いと感じます。
思えば、毎年のように、大雨の災害が多く感じます。
こんなデーターもあります。
1995年~2009年の線状降水帯の発生データ。
北日本 | 25回 |
東日本 | 38回 |
西日本 | 105回 |
合計 | 168回 |
こんなに発生しています。
西日本が圧倒的に多いです。
但し、これは後になって、雨雲の移動と降水量を勘案して、わかったもの。
事前に、こうなると予測するのは、かなり難しそうです。
過去発生して災害になった事例!
2021年の例。
2021年8月:九州北部に線状降水帯発生
*令和3年8月豪雨
8月11日:降り始め
当日午後2時の時点:1の河川で氾濫危険水位を超えた。
8月14日:福岡県、佐賀県、長崎県の一部で大雨特別警報
➀:一週間で年間雨量の5割に達する雨量計測
- 浸水被害店舗:250
被害総額:85億円
降り始めてから、あっという間に危険水位を超えるほどの、集中豪雨。
これは驚きます。
しかも、年間雨量の半分を、一週間で。
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平年並みと言いますが、その平年並みの定義について解説しました。
平年とは?平年並みと例年並みの違いと気温なら過去何年の平年値か?
秋雨前線とは?
秋雨前線とは 時期と気団はいつまで?停滞前線の動きや天気図の特徴!
時期や気団の特徴など。
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線状降水帯に思う最近の気象!感想とまとめ!
「線状降水帯」
に限らず、近年のお天気はとても異常に思います。
昔は、こんなことはなかったな~~と。
あったのですが、ほとんど毎年のように、最近は被害が発生します。
「観測史上初」
の、この言葉は常套句にも聞こえます。
どうしてこうなった?
ヤッパシ、地球温暖化の影響なんでしょうか?
北極の氷も、南極の氷も、アルプスもヒマラヤも、多くの箇所で氷が、すごい勢いで解凍して、濁流になって流れる様は、まさに異常ですね。
島国日本は、海に囲まれていて、これからその影響で台風に多く見舞われるかもしれません。
しかも、現在の大型クラスが、普通になるかも。
皆で考えていかないと、この環境は維持できないかもしれません。
個人ができることは、限られていても、そういった意識を持つことは、とても大事なことに思います。
皆さんは如何思いますか~~~~?
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ゲリラ豪雨の雲のでき方など。
ゲリラ豪雨の雲のでき方と仕組みは?時間雨量何cm(mm)予測で注意報?
よく聞く偏西風の蛇行。
偏西風って何?なぜ蛇行するかをわかりやすく!季節風と貿易風の違い!
どうして蛇行するのかな~~と。
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*ヘッダーの写真は私が撮影した、須川湖の夏の風景写真です。
カメラはフジの「X-S10 」です。