不倶戴天の意味と使い方と例文!由来と類語や対義語でことわざ理解!
不倶戴天(ふぐたいてん)とは? 意味は、深い恨みや怒りを感じる相手に対することば。
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不倶戴天の敵や不倶戴天の決意など現代でつかわれる場面は?
Contents
不倶戴天とは?意味や読み方と漢字の分析!
「不倶戴天」
読み方は「ふぐたいてん」です。
意味は以下の解説。
ともにこの世に生きられない、また、生かしてはおけないと思うほど恨み・怒りの深いこと。また、その間柄。「不倶戴天の敵」
(デジタル大辞泉)
同じ天の下では、一緒にいられない、一緒に置かないという意味で、それほどに憎しみや憎悪が深い。
現代でもこういう場面はあろうかと。
元は仇(かたき)の事を表現したようですが、まるで、同じ空気を吸うのも嫌な雰囲気に感じます。
不倶戴天の漢字分析は?
「不倶戴天」の漢字分析から意味を解釈。
不 | 否定、打消し |
倶 | 側、一緒 |
戴 | いただく |
天 | 天、天の下、この世 |
上をつなげる | |
不倶 | 一緒にいることができない |
戴天 | 天を戴く=この世 |
こんな感じの意味解析。
この世に、一緒にいることができないほどの憎しみ・・とこうなります。
なるほど・・漢字の世界には深いものを感じます。
語源や由来も、そのような故事にちなんだ四字熟語。
不倶戴天の語源は「礼記・典礼上」に由来!原文解説!
「不倶戴天」の語源となった
➀:「礼記・典礼上」の解説
➁:故事の漢文原文紹介
について解説・
不倶戴天の語源の「礼記(らいき)・典礼上」とは?
「礼記(らいき)・典礼上」
よりの出典。
「礼記(らいき)」とは?
以下のようです。
『礼記』(らいき 繁体字: 禮記)とは、儒教の最も基本的な経典である「経書」の一つで、『周礼』『儀礼』と合わせて「三礼」と称される。『小戴礼記』とも。全49篇。
(wikipediaより引用)
その中の「典礼・上」があります。
確認したら、一番最初。
1:曲礼・上:制度 五礼(吉・凶・賓・軍・嘉)の総説。
全49編の1に位置しているのですが、これは「礼」なんだそうですから、この
「不倶戴天」
という考え方は、「礼」の考え方であって、古くからそういう考えだったのかと。
不倶戴天の原文書き下ろし文は以下の内容!
以下のようです。
「父之讎、弗與共戴天」:父の仇は与に共に天を戴かず。
「兄弟之讎、不反兵、交遊之讎、不同國」:兄弟の仇は武器を取りに帰らずその場で仕留め、友人の仇は国を同じくして住むことはできない。
と、こんな意味になります。
このような表記もあるので参考までに。
「父之讎、弗二与共戴一レ天、兄弟之讎、不レ反レ兵、交遊之讎、不レ同レ国」
とこんな漢文。
これを読んで思い出したのは、ネットでで無料放送の、タイトルなんだっけ?
「孫子」
でしたかな~~確か。
孫子の無二の友の「無咎(むきゅう)」との確執を思い出しました。
確かにな~~~が感想です。
物語を、期待したのですが、そうではなかったですね。
でも、「礼」の思想に中国古代では、こういう思想があったのかな~~と思って、意外な感じです。
不倶戴天の言葉の根底にあるもの!
「不倶戴天」
という言葉は、日本では受け入れられてないようです。
そもそも、根柢の思想には
「儒教思想」
があって、そもそもが「儒教の経典」の教え。
親の仇は絶対に打たなくてはならないという、そこには赦しがないんだな。
「不倶戴天」
を全うすると、それは「報復合戦」に至ります。
その辺が日本の考え方とは、根本的に違うところに思います。
家族に対する怨嗟は、晴らさなくてはいけない。
そこを解いてるんだな~~「不倶戴天」という言葉は。
なので、真っ正直にとらえると、私個人的には、使えない言葉に感じます。
しかし、時は現代。
もし、使うならということで、場面や例文など以下に考えてみました。
不倶戴天の敵とは?不倶戴天の決意を君へ!
現代での用い方は
- ①:不倶戴天の敵
②:不倶戴天の決意
などの使い方や、表現がありそうです。
が・やはり日本では、あんまし、用いられはしないようです。
不倶戴天の敵とはだれのこと?
現代での「不倶戴天の敵」とは、どんな敵かな~~と。
ある意味、以下に分類できるかと。
- ①:個人
②:企業
③:スポーツのライバル
古来の意味は、生死の問題ですが、現代ではそうはいきません。
個人でのライバル関係や、企業での熾烈な開発競争などは、他を追い落とす意味でも
「不倶戴天」
という言葉は、当てはまるかと思います。
特許を盗まれてや、情報が漏れて・・キーマンがライバル社に転職など、消えてほしい会社ですね。
いろんな場面で、怨嗟が元の四字熟語ですが、現代では使われる場面が、限られます。
スポーツのランキングでも、上のランクに上がる場合は、どうしても勝たなくてはいけない相手!
そういった場面では、使いそうです。
不倶戴天の決意とは?
「不倶戴天の決意」
意味は、復讐は必ずやり遂げるという意味。
現代に置き換えるなら
「絶対に勝つ!」(やり遂げる)
でしょうか。(復讐心)
特許を盗まれて、特許を侵されて、黙っていては・・ですよね~~
しかも、のうのうとその売り上げで、NYSEに上場?
これこそ、怨嗟だな~~と思う。
不倶戴天の使い方を場面と例文と会話例で!
この章では
- ・不倶戴天を使う場面。
・使い方を短文の例文で。
・不倶戴天を用いた会話例。
を解説します。
*現代に合わせた部分での解釈なので、それなりに。
不倶戴天を使う場面は?
「不倶戴天」
を、使う場面は、恨みを晴らしたい場面や、屈辱を晴らしたい思い、そんな感情がひしひしと感じます。
以下のような、具体的な場面を考えてみました。
場面➀ | 事件や事故の被害者の方の思い |
場面➁ | 屈辱を与えられた相手 |
場面➂ | 両雄が必要ないせりあいの場面 |
場面➃ | スポーツ分野の永遠のライバル関係 |
場面➄ | あいつが居なければ・・ |
などなど・・他多数の場面。
現代では、当時の「礼記」が書かれた時代のような、物騒なことはご法度。
今の時代に置き換えると、上のような場面などが、考えられようかと。
仕事の分野や、あらゆる分野で、両雄が並び立たない場面が、結構あるもの。
そういう場面などを想定してみました。
しかし、あくまでも、この四字熟語の例えになろうかと思います。
「不倶戴天」の使い方を短文の例文で!
以下の例文で。
例文➀ | あいつは俺にとって不倶戴天の敵。いつか引きずり下ろしている。 |
例文➁ | この間のAの言動は許し難し。不倶戴天を感じる、いつか飛ばしてやる。 |
例文➂ | 彼女とはせっかくうまくいっていたのに、あいつのおかげでダメになった・・まさに不倶戴天の敵だ。 |
例文➃ | 親戚中、1人のおばさんに振り回され、曽祖母はいつも泣いていた。私にとって不倶戴天の敵とはこのことか。 |
例文➄ | 不倶戴天とまでは行かなくても、どうして3姉妹でいがみあう? |
例文⑥ | 互いに不倶戴天の敵!両雄相並び立たずとはこのことか! |
不倶戴天を使う場合は、最強のライバルや、憎しみや憎悪感を表現する場面。
ならば、上記のような場面での、例文を考えてみました。
誰にでも、こういう方はいるかと。
でも、思いだけで止めておきましょうね。
今は現代ですから!
「不倶戴天」を使った会話例!
以下の会話例で。
A部長と今日は会議で一緒。この間の屈辱を晴らすチャンスだな。
B部長、何もそこまで真剣にならなくともいいのでは?
馬鹿野郎、あいつがいると俺の役員の目はないんだ。そういった意味ではあいつは俺の不倶戴天の敵だ・しかも、この間の屈辱!許せん!。
どうでもいいですけど、頂上でやってください。でもこっちに、とばっちりが来るのはやめてくださいね。
など。
こういう方いました。
敵意むき出しで、会議で丁々発止のやり取りで。
見てるほうが、疲れてくるんだっけな~~
不倶戴天の類語(類義語)と言い換えは「意趣遺恨」で!
不倶戴天の類義語は以下。
倶不戴天 | 共にこの世に生きることを拒絶すること |
意趣遺恨 | 他人への深い恨み |
恨み骨髄にしみる | 恨みが骨のしんまでしみとおる |
怨敵 | うらみのある敵 |
言い替え | 意趣遺恨 |
言い換えとして、適当だな~~と思うのは
「意趣遺恨」
意味は
「何かの手段で、晴らさずにはいられない、忘れられない恨み」
こんな意味になるのですが、「このうらみはらさでおくべきか‥」に代表される、そんなことを、今思いだしました。
ずいぶん昔の、漫画の世界ですね。
でも、まだ「何かの手段」ですから、「不倶戴天」よりは、甘いですね。
このくらいなら、一矢を報いる程度で、満足するかもしれません。
不倶戴天の反対語(対義語)は「恩義」で!
「不倶戴天」
の反対語を考えてみました。
何かによって、大きな恨みや怨嗟を感じたことが原因にあるのですから、その逆なら
「恩義」
を感じることが反対かと。
優しや慈愛に満ちた、そんな待遇を受けると、やはりこの恩は、いずれ返さないと。
そう思うは人情かと。
よって反対語は
「恩義」
にしておきます。
意味は以下の解説。
報いなければならない、義理のある恩。
(デジタル大辞泉)
こんな意味になります。
不倶戴天を英語で表現するとどうなる?
試しに検索してみました。
不倶戴天:Fukudaiten
あんりゃ~~検索では、これはいけませんね。
では他の訳で・・
mortal enemy
と出ます。
これがよさそうです。
a sworn mortal enemy。
(不倶戴天の敵)
これは難しいですが、このフレーズでいいのかな‥と思います。
「不倶戴天」の決意をもう少し詳しく!
「不倶戴天」
は儒教の教えです。
しかも、その第一の「礼記(らいき)・典礼上」に書かれています。
実は、これがかなり物騒な思想。
「自分の肉親の誇りのために他人はすべて犠牲にしてよい」
こういう考え方。
儒教自体は、父母、子供(家族)との理想的な関係を教えているのですが、この
「不倶戴天」
は、その家族愛に偏重しすぎるのかな~~という、個人の感想です。
一族全員での報復が許される思想です。
受けた恨みは、必ず晴らすという意味が込められたものですが、相手に置き換えれば、受けた報復については、こちらも忘れないという
「怨嗟」
を感じます。
さて?
これって現代でもあるとしたら、かなり弱いトーン。
あまり使われないと思いますが、心の中の決意みたいなもので上記の
- ➀:場面
➁:例文で例えになろうかと思います。
とてもそのものずばりの意味は
「険しいな~~」
という印象で、本記事を書きました。(日本社会ではなじまない思想です)
悪しからず!
不倶戴天の敵は私にはいた?感想とまとめ!
「不倶戴天」
の、本記事の内容を以下の表にまとめてみました。
➀:意味 | 深い恨みや怒りを感じる相手に対することば |
➁:語源と由来 | 「礼記(らいき)・典礼上」より |
➂:使う場面 | 恨みや怒りを感じる相手に対する場面 |
➃:使い方を例文で | 互いに不倶戴天の敵!両雄相並び立たずとはこのことか! |
➄:類語 | 倶不戴天・意趣遺恨・怨敵・他 |
⑥:言い替え | 意趣遺恨 |
⑦:反対語 | 恩義 |
⑧:英語表現 | a sworn mortal enemy。 |
意味のおさらいです。
同じ天の下には一緒にはいない、同じ天の下には生かしておかない意で、それほど恨みや憎しみの深いこと。もとは父の仇かたきを言った。
(三省堂辞典)
のような意味があります。
日常的には、ちょっと物騒で、あまり頻繁に使う言葉では、ないように感じます。
語源や由来についても、上で紹介しましたが、物語性はちょっと感じられませんでした。
驚いたのは「礼」に関する、故事からの出典だということです。
思想として、こういうことがあったのかと。
不倶戴天の敵が私にはいたか?
さて?
どうでしょうか?
いたかもしれませんし、居ないかもしれません。
「不倶戴天」というからには、消えてほしいくらいの方ですからね~~
しいて言えば、上の例文にも書きましたが、親戚で一人厄介な方がいたので、之には本当に参りましたね。
もう、旅立たれてしまいましたが、親戚中で閉口していました。
最近は、私の周りではいないけど、ちょっと・・・な方がいるな~~
考えれば、思いつくもんですが、思いつくくらいなら「不倶戴天」の相手ではないですね。
単なる人間関係でしょう。
しかしながら、この人間関係も個人によっては
「不倶戴天」
にの意気に感じるかもしれません。
なかなか、人間社会はムズイです。
皆さんはいかがですか?
・・・・・・・・・・
※ヘッダーの写真は、私の愛機フジの一眼で撮影した、松島円通院の3月の風景です。