糟糠の妻の意味は?語源や由来の歴史は?使い方や例文と英語表現!
糟糠の妻とは? 意味は、粗食をともにし、貧苦を分かち合ってきた妻のこと。
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後漢書の「宋弘伝」はとてもいいお話です!
Contents
糟糠の妻はどんな妻?読み方と意味を詳しく!
「糟糠の妻」
読み方は「そうこうのつま」です。
意味は以下の解説。
貧しいときから連れ添って苦労をともにしてきた妻。
(デジタル大辞泉)
酒かすや米ぬかしか食べられなかったような貧しいころから、連れ添って苦労を共にしてきた妻のこと。
(故事成語を知る辞典)
どんなに成功した方でも、以前は貧しく、苦労した時代があるはず。
その時に、陰で日向で支えてくれた、「妻」のこと。
今は、酒かすや米ぬかとは言わないでしょうが、この時代背景からしたら、そうなのかと。
が・・しかし、非情なことの事態があるのも、現実。
このことわざを、肝に銘じた方がよろしい方も、中にもいる由にも感じます。
糟糠:酒粕と米ぬか=粗末な食事の意味
のことを言います。
なるほどですね‥酒粕や米ぬかのような粗末な食事をして、一緒に過ごしてきたわけです。
これは人生の、味が違いますね。
親父とお袋を、イメージしてしまいました。
糟糠の妻のことわざの語源は後漢書「宋弘伝」に由来!
「糟糠の妻」
の語源は「後漢書」の
「宋弘伝」
によります。
後漢書の「宋弘伝」はいつの時代の話?
この言葉の、出典は中国の歴史書である
「後漢書(宋弘伝)」
によります。
「糟糠の妻は堂よりくださず」
という一文が以下の意味。
糟糠の妻 | 酒粕や米ぬかを食べて一緒に苦労した妻 |
堂より下さず | 出世したり、裕福になっても、家から追い出すわけにはいかない。 |
このような、意味です。
さて、時代背景ですが、
『後漢書』(ごかんじょ)は、中国後漢朝について書かれた歴史書。
編者は范曄(はんよう、398年 – 445年)。
(wikipediaより引用)
とあります。
古いものなんですね。
その中の:宋弘伝
にこの「糟糠の妻」が、出てくるということですね。
しかしながら、これを記述した、元の方は誰かな~~って、また思うわけです。
糟糠の妻の語源の宋弘とはどんな人物か?
出地はいろいろあって、省略しますが、後漢の「光武帝」に仕えたとあります。
清廉潔白な方で有名。
租税俸禄はすべて一族に分け与え、手元には何も残らなかったと言う、正に今の〇〇には読んで聞かせたいような、そんな人物です。
光武帝の姉が、不幸にも夫に先立たれたので、何とかいい縁はないか?
姉が言うには、「宋弘」に気持ちがある様子。
そこで、光武帝は一計を案じたということで、宋弘が参内して拝謁した時に、探りを入れようと。
衝立の向こうに姉を・そこで宋弘に
「ことわざに『高い地位に昇ったならば、つきあう相手はいまの地位にふさわしい者に代えるものだ。富裕な身になったならば、妻はいまの立場にふさわしい者に代えるものだ』というが、人の心とはやはりそういうものかな」
宋弘は答えて言った。「『貧乏をしていたころ知り合った友は忘れてはならない。貧乏暮らしで苦労をともにした妻は粗略にしてはならない』と私は聞いております」
皇帝はふりかえって言った。「これは見込みがありませんな。」また、その時の漢文はこちら。
「時帝姊湖陽公主新寡、帝與共論朝臣、微觀其意。主曰、宋公威容徳器、群臣莫及。帝曰、方且圖之。後弘被引見、帝令主坐屏風後、因謂弘曰、諺言貴易交、富易妻、人情乎。弘曰、臣聞貧賤之知不可忘、糟糠之妻不下堂。帝顧謂主曰、事不諧矣。」
(wikipediaより引用)
この記述。
糟糠之妻不下堂。
堂より下さずの意味は:「座敷から下げない」
という意味で、正妻から下げないという意味なんだそうな。
つまり、追い出していけない・・そういう意味なんだな。
納得!
宋弘という方は、素晴らしい方だったんですね~~
帝の姉なら、この先は前途洋々だったのに。
いいお話でした。
糟糠の妻のエピソードのもう一つのお話!
「宋弘」という方は、じつに「清廉潔白」な方で、欲のない方だったようです。
それは「光武帝」も認めるところで、たびたびこの
「光武帝」
を諫める場面があったようです。
「との、それはなりませぬぞ!」
のお役目。
なので、この物語も
「何でも、思い通りになるなんてことは、ありませぬぞ!」
と戒めたのでは?
そんなせつもあるようです。
糟糠の妻の使い方を場面と例文と会話例で!
この章では
- ・糟糠の妻を使う場面。
・使い方を短文の例文で。
・糟糠の妻を用いた会話例。
を解説します。
糟糠の妻を使う場面は?
「糟糠の妻」
のを使う場面は、夫婦ともどもで、苦労した甲斐があった・そんな場面が、最も適するような気がします。
悪い意味では、その逆ですね。
おいだした・・または離婚?
場面➀ | 夫婦で苦労をした結果の今を振り返り。 |
場面➁ | よく尽くした妻を表現。(本人や友人知人や世間一般) |
場面➂ | あんなに陰で支えてくれた妻と離婚? |
場面➃ | 共に苦労したのに何で別れが? |
場面➄ | その他、苦労した夫婦の話題で・・ |
「糟糠」とまではいかなくとも、人生夫婦は「夫唱婦随」とも言いますから、ともに歩むもの。
苦労の度合いは、様々でしょうが本人にしてみればそれは苦労。
例えるには、いい言葉かと。
「糟糠の妻」の使い方を短文の例文で!
以下の例文で。
例文➀ | 「糟糠の妻」と言うが、ここまでなったのは、妻の支えがあればこそ。 |
例文➁ | 糟糠の妻と言うが、俺ら夫婦はそんなに苦労したっけ? |
例文➂ | 家は借金だらけ、天井から雨漏りでも、親父とおふくろは幸せそうだった。糟糠の妻を親父は愛していたな~~いつも一緒だった。 |
例文➃ | 家の金回りが良くなったら、以前の貧乏も忘れて遊び惚けて、糟糠の妻のような奥さんがかわいそうだ。 |
例文➄ | 芸人のAさん、下積み時代の奥さんを、売れたとたんに離縁したそうな。糟糠の妻を追い出すとは、えらいバチ当りだな・ |
例文⑥ | 同じ集落のSさん所は、夫婦で苦労した甲斐あって、今じゃ~孫と4世代暮らしだ。糟糠の妻というけどああなりたいものだな。 |
などなど。
私の周辺のことを、話題にしてみました。
昔の方は(おふくろ世代:90歳前後)みんな苦労しました。
山に、泊りがけで炭焼きしたり・・でも、みんな明るかったな~これは今でもだな。
近所の人たちも、夫婦で元気な方は(80歳以上)、そんな世代です。
糟糠の妻の類義語をことわざで!言い換えは「苦楽を共にする」!
「糟糠の妻」の類義語は以下。
苦楽を共にする | 一緒に苦労をし、一緒に楽しむ。 |
共に泣き共に笑う | 監視委時も楽しい時も一緒 |
酸いも甘いも | 人生経験が豊かで人の心の機微や世間の事情によく通じている |
一蓮托生 | 最後まで行動、運命を共にすること。 |
言い替え | 苦楽を共にする |
正に、苦楽を共にした妻ですから、これは糟糠の妻なんですよね。
酸いも甘いも‥なんでも一緒です。
こんな夫婦・・何とも私には、ちょっと遠かったような気がするのですが、それぞれですね。
言い替えとして適当と思うのは
「苦楽を共にする」
で。
多くの場面で、置き換えに鯉能すると思います。
糟糠の妻の反対語(対義語)は「不誠実」!
「糟糠の妻」
の反対語(対義語)を考えてみました。
一緒に苦労してきた妻を大事に、一生添う覚悟なのですが、その反対なら、いとも簡単に「「宋弘」はその時に、離縁して光武帝の姉を選択したかも。
そうでないから
「糟糠の妻」
なんだな。
そうです‥反対はいとも簡単に、その構図を否定すること。
要は
➀:「不誠実」
➁:「不義理」
なんです。
一つ選ぶなら「不誠実」で。
意味は以下の解説。
誠実でないこと。また、そのさま。
(日本国語大辞典)
こう言った意味しかないですよね~~
・・・・・・・・・・・・・・
予断を許さないって、どんな意味だ?
結構、最近は使われてるのを見ます。
予断とは?許さないと油断の意味の違いは?使い方や例文と英語表現!
概要を書く場合の書き方や、長さやポイントは?
概要の内容や長さと目的は?意味と使い方や例文と英語表現と類義語!
いい文章は、読んでいていいものです。
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糟糠の妻を英語で表現するとこうなる!
試しに検索してみました。
糟糠の妻:Wife of 糟糠
あんれ~~やっぱし、これは翻訳ではチョとむりかな・
他の正規の訳は
one’s wife married in poverty
これですが、私には緒と難しいです。
これでいいのかな?
a wife who has shared one’s poverty
(糟糠の妻)
You should not discard in prosperity a wife married in adversity.
(糟糠の妻は堂を下さず)
これは、そのまんまの言葉の意味のまんまです。
なるほどですね。
でも、ちょっと難しくて、何度も読み返してみました。
こういう表現なんですね。
糟糠の妻と我妻に思うこと!感想とまとめ!
「糟糠の妻」
の本記事の内容を、以下の表にまとめてみました。
➀:意味 | 粗食をともにし、貧苦を分かち合ってきた妻のこと。 |
➁:語源と由来 | 後漢書の「宋弘伝」が由来 |
➂:使う場面 | 夫婦仲と苦労を例える場面 |
➃:使い方を例文で | 家は借金だらけ、天井から雨漏りでも、親父とおふくろは幸せそうだった。糟糠の妻を親父は愛していたな~~いつも一緒だった。 |
➄:類語 | 苦楽を共にする・共に泣き共に笑う・酸いも甘いも・他 |
⑥:言い替え | 苦楽を共にする |
⑦:反対語 | 不誠実 |
⑧:英語表現 | a wife who has shared one’s poverty. |
意味のおさらいですが
「貧しい時代から、苦楽を共にしてきた妻」
そんな意味です。
糟糠とは貧しい食事の事ですね。
歴史上に思う糟糠の妻って誰だ?
これは、やはり豊臣政権下の政所
「ねね」
さんかと。
豊臣秀吉と言う方は、どうしても正妻の「ねね」には頭が上がらなかったようです。
こういった内容は、何度もテレビの大河ドラマなどで、紹介されていますね。
そういった点では、秀吉と言う方は、優しい方だったのかもしれません。
でも、多くの側室がいましたから、これもまたどうかと。
時代ですからそういったものなのでしょう。
近場に目を移すと、同じ集落の中で、若い頃は大いに苦労したのに、今4世代で同居して幸せな(傍目ではですが)方もいます。
昔はこの辺では、仕事と言えば炭焼きしかない時代です。
私のお袋世代は、まさにこの時代です。
戦後の混乱期ですね。
皆さん苦労なさいました。
時代は、今になってどうでしょうか?
苦労する前に、離婚する方がとても、多いような気がしてなりません。
一緒に苦労して、良い暮らしをして、資産形成をして、などと思って、努力している方もいるかもしれませんが、どうにも、安易な方に行きがちに感じるのは、私だけでしょうか?
我が家の、娘夫婦を見るとそう思ってしまいます。
そもそも苦労してなどと、思っていないんじゃないかと思うんだね。
皆さんはいかがですか?
口うるさいかもしれませんが、若い時はいっぱい苦労して、心も強くして、打ち勝って行かないと、この先の世の中は打たれ弱いようでは、ダメなような気がします。
糟糠の妻とは、関係ないかもしれませんが、苦労と言うことを思うと、そんなことを考えてしまいます。
余談でした。
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そんな考察です。
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今環境問題が旬ですね。
パリ協定とは?日本や参加国はどん位?地球温暖化の目標値のまとめ!
何とかしないと、このままでは住めなくなるかもしれません。
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*余談や主観を交えて紹介しています。多少ずれてても容赦ください。
ヘッダーの写真は愛機「x-t4」で撮影した、我が家の2021年の屋根のつららです。
今年は寒かったですね~~屋根が壊れそうで、とても心配でした。