悉く(ことごとく)とは? 意味は、問題にしているもの、全て残らずみんな。
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残らず | 在庫を悉く残らず処分など・・ |
すべて | 有り金を悉くはたいて投資に・・ |
みんな | 父の書棚の本を悉く読んだ・・ |
など。
音読みでは「悉く」の
「悉」:シツ
と読みます。
これを組み合わせた漢字では
「悉皆」「委悉」
などなど他、沢山あります。
- 悉皆成仏(シッカイジョウブツ):生きとし生けるものはすべて仏になるという意
悉達多(シッタルタ):お釈迦様が出家前の大使の頃の名
仏教にまつわる意味にも使われています。
*「悉く」は漢字検定では、準一級に相当だそうですよ~。知ってるとわかる方は・お・・知ってるんだ!!となるね。
尽くとの関係は?意味から違いを解説!
「尽く」
読み方は「悉く」で同じです。
音読みで「ジン」で、「つくす」や「出し切る」。
実は「ことごとく」ではこちら
尽く | 常用漢字:尽 |
悉く | 常用漢字でない:悉 |
使い方は「悉く」と全く同じで、違いはないようです。
どちらでも可。
特に問題はありません。
辞書にも「悉く」に「尽く」は併記されています。
* しかしながら実際は、常用漢字である以上は「尽く」が多く使われます。
悉くの語源のお話!
ここでは
- ➀:語源と由来のお話
➁:史記の完璧帰趙の記載
➂:孟子の尽心下の記載
を解説。
「悉く」の語源は「事事しい」に由来!
「悉く」は、「ことごとしい」「ことごとし」など、漢字では
- 「事事しい」
でした。
意味は
- 1:大げさ
2:たいそう
3:ものものしい
4:物事のすべてなど。
それがなぜ漢字が「悉」になった?
実は「悉」の漢字は、獣の爪と、心臓の心を合わせた、「会意文字」です。
獣が、その爪で、ほかの獣の心臓を全てえぐり取る様子・・それを表して
- 1:残らず
2:すべて
そもそも最初は「事事」の表現だったようですが、上のような会意文字で、「悉く」になったと。
では、漢文の時代はどうだったのでしょうか?
実際の漢文で、検証してみようかと。
悉くの漢文!史記の完璧帰趙!
悉くを使った、漢文の使用例です。
最初は司馬遷が記した「史記」の「完璧帰趙」での記述。
その一節
「趙王悉召群臣議。」
趙王悉(ことごと)く群臣を召して議せしむ。
です。
秦王の「昭王」から、趙の恵文王に15の城と、和氏の璧という宝石を交換しないか?
そういう持ちかけに、対する対応の物語です。
実際は、使者の藺相如が、一度秦王にわたったものを、うまく言いくるめて、持ち帰ったというお話です。
「璧を完うして趙に帰る」
から、完璧の語源になっています。
この時代紀元前270年頃のお話です。
その時代に、この「悉」があったんですね。
驚きます。
悉く(尽く)の漢文!孟子の尽心下!
孟子の書いた「尽心下」では、「書経」を指して
「尽信書則不如無書、吾於武成取二三策而已矣」
翻訳すると、こうなります。
「尽く書(しょ)を信ずれば書なきに如(し)かず」
と読みます・・意味は
「書物を読んでも、丸の見込み(丸暗記)で、批判の目がないのなら、むしろ読まない方がよい」
という意味です。
内容から、自分の意見を持つことが大事、と言ってるように感じます。
孟子の時代は、紀元前300年あたりでしょうか。
上の「完璧帰趙」よりも、もう少し前の時代です。
ここでの「ことごとく」は
「尽く」
になります。
悉くの使い方を場面と例文と会話例で!
この章では
- ・悉くを使う場面。
・使い方を短文の例文で。
・悉くを用いた会話例。
を解説します。
悉くを使う場面は?
「悉く」
を使う場面は、すべてを失うか、すべてをかけて勝負!
などが考えられます。
実際の場面を、以下の表に考えてみました。
場面➀ | 事業が悉く失敗 |
場面➁ | やることが悉く失敗 |
場面➂ | 全財産使い果たして無一文 |
場面➃ | 悪い予想もあったがすべて外れ。 |
場面➄ | 全て成功させた |
ネガティブなことを想像しますが、上の例のように成功した場面でも使えます。
でも、経験上そんなにはないですね。
失敗の方が多そうな印象。
「悉く」の使い方を短文の例文で!
以下の例文で。
例文➀ | 私の設計原案は、デザインも含めて悉く却下された。 |
例文➁ | 会社の事業の立ち上げに、悉く失敗した彼は、もうそこに居場所はなかった。 |
例文➂ | 彼は、外注での新商品生産の立ち上げには、悉く成功しているプロだ。 |
例文➃ | 私は、持ち金のすべてを投資に回し、悉く失敗した。 |
例文➄ | 祖父は事業に失敗し、代々の財産を悉くうしなった。 |
例文⑥ | 上司に、プロジェクトの詳細を、悉く報告することは当然だ。 |
例文⑦ | 三島由紀夫の著作は、大好きで悉く読んだ。 |
例文⑧ | よほど腹がすいていたのか・・テーブルに出たものは悉く平らげた。 |
例文➈ | 社長からの依頼は、悉く受けるのが、部下として私の責任だ。 |
私の経験を踏まえて、自分のことや身の回りのことを、例文にしてみました。
「すべて」
という意味を込めると、いろんな場面で使える言葉。
皆さんの「悉く」はなんですか?
「悉く」を使った会話例!
以下の遊び友達との会話例で。
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]今日の馬券予想は悉くはずれ・・こんな日もあるんだな~~。[/speech_balloon_left1]
[speech_balloon_right1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]そういう日もあるさ・・いつも良いことばかりではないね。[/speech_balloon_right1]
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]スカスだ・・小図解の全部は消えた・・ガックシ!。[/speech_balloon_left1]
[speech_balloon_right1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]奥さんに頭下げて、何とかしてもらったら?[/speech_balloon_right1]
仲間との会話。
こう言う時もあったな~~
ナツカスイ!
悉くの類義語(対義語)と言い換えは「」!
「悉く」
の類語は以下。
余すところなく | 残らず。すべて。 |
もれなく | 該当する者は残らず・例外なくすべて |
すべて | ある物や、ある事の全部。 |
洗いざらい | 何もかもすっかり出してしまってあとに何も残っていないこと |
すっかり | 残るもののないさま。 |
言い替え | 余すところなく |
などなどがあります。
「言い換え」に適当な言葉は、一つ上げるなら私は
- 「余すところなく」
を上げておきます。
感じがソフトでいいですね。
多くの場面で、置き換えとして、機能すると思います。
悉くの反対語(対義語)は一部!
反対語です。
「悉く」
は全部・・すべての意味ですから、その反対なら
- 「一部」
にします。
「彼は上司に、事の一部しか報告しなかった」
一部の意味は以下の解説。
全体の中のある部分。一部分。⇔全部。
(デジタル大辞泉)
まさしく反対語に感じます。
・・・・・・・・・・・・・
業務委託と派遣の違いは?
メリットやデメリットについて書いてみました。
業務委託と派遣の違いは?雇用する側とされる側から見たデメリット!
支障をきたす人の行為について考えてみました。
業務に支障をきたす人の行為10選とは!業務分掌無視の迷惑な社員!
これって、すごく迷惑ですね~~
・・・・・・・・
ことごとくを英語で表現!単語と例文!
試しに検索で。
悉く:Writhe
尽く:Exhausted
あんれ~~違う。
他の英訳では・・
1:all
2:entirely
この二つの単語です。
例文は以下。
The entire Satsuma army retreated to Mifune.
(薩軍は悉く御船に退却した。)
They lose their all in extreme cases.
(甚だしきに至っては財産を悉く失う)
などなど・・
(weblio辞書)
上の二つの単語で、何とか対応できそうですね。
他もありますが、私はこの二つで。
悉く〇×な人生!感想とまとめ!
「悉く」
の本記事の内容を、以下の表にまとめてみました。
➀:意味 | 問題にしているもの、全て残らずみんな。 |
➁:語源と由来 | 漢字の「事事しい」に由来ほか、漢文は文中紹介 |
➂:使う場面 | 全ての失敗や成功の場面他。 |
➃:使い方を例文で | 会社の事業の立ち上げに、悉く失敗した彼は、もうそこに居場所はなかった。 |
➄:類語 | 余すところなく・もれなく・すべて・他 |
⑥:言い替え | 余すところなく |
⑦:反対語 | 一部 |
⑧:英語表現 | They lose their all in extreme cases. |
「悉く」と、「尽く」の比較では、「尽」が常用漢字のため、公用文ではこちらになります。
しかし、「悉く」は広く使われているため、どちらも正解で、辞書も併記されています。
使い方の意味は、同じで好みでつかっても、差し支えないでしょう。
漢文の、中国の故事も紹介しましたが、孟子の時代から
「尽」
は使われていたのですから、古い漢字かと思います。
悉く〇×▽な私の人生だったな~~
自分の人生書いてもしょうがないですが、私の人生って、尽くに何かに偏っていたように思います。
思いつめると、周囲が見えなくなる?
いえいえ・・そこまでは行きませんが、まっすぐに行くんだな。
んで・・
あ~~やっぱダメだったか・これまでの努力は、尽く無駄!
そしてまた一から、やり直すんです。
この繰り返し。
でも・・私は思ってるんだ。
「最後に勝つのは俺だ!」
です。
今年60代のいよいよ後半に入っていきます。
年金世代ですが、何事につけ
「悉く」
は掛けていけない年代に感じます。
そろそろ、年齢も自覚していかないと、この先痛い、しっぺ返しがないとも限りませんからね~~
・・・・・・・・・・・
「生き生き」と「活き活き」の違いは?
そんな考察です。
「生き生き」と「活き活き」はどう違う?意味や使い方を例文で!
「宜しく」と「よろしく」の違いは?
「宜しく」と「よろしく」の違いと正しい使い分け方!使い方と例文!
使い分け方など。
・・・・・・
*ヘッダーの写真は、愛機のX-S10で撮影の須川岳の周辺の風景写真です。