「船頭多くして船山に登るとは?」意味は、指図する人が多いために統率が取れず混乱することのたとえ。
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場面➀ | プロジェクトのリーダーが多すぎる → 指示混乱 |
場面➁ | 各部署からの指示が食い違う → 進行停滞 |
場面③ | 新商品開発の方針が定まらない → 目的不明確 |
場面➃ | 旅行のプランニングで意見がバラバラ → 行先不明 |
場面➄ | グループ作業での役割がはっきりしない → 進行遅延 |
場面⑥ | パーティーの主催者が多すぎ → 準備混乱 |
「船頭多くして船山に登る」
を使う場面をビジネスと私的な場面で考えてみました。
指示する人が明確になってない場面や、当事者が多くてなかなか意見がまとまらないケースを想定します。
えてして、私の経験で仕事上では、立場が上の方が出張ってくると混乱する傾向があるように思います。
「船頭多くして船山に登る」の実例:ビジネスとプライベート
(写真AC)
以下の例文で。
ビジネスとプライベートの場面での
「例文」
を作成してみました。
例文➀ | プロジェクトの方針が頻繁に変わり、船頭多くして船山に登る状態だ。 |
例文➁ | リーダーが多すぎて、船頭多くして船山に登るような混乱が生じている。 |
例文➂ | 意思決定が遅れ、船頭多くして船山に登る状態になってしまった。 |
例文➃ | 旅行の計画を立てる際、皆の意見が散らかり、船頭多くして船山に登る状態に。 |
例文➄ | 同窓会の幹事が多すぎて、船頭多くして船山に登る状況なってる印象。 |
例文⑥ | グループのイベント計画が進まず、船頭多くして船山に登る感じが漂っている。 |
「船頭多くして船山に登る」
を使った例文です。
共通になってるのはリーダーが
「明確」
になっていないこと。
まさしく「船頭」の人数が多いんだな。
場面変えるとそのほうが楽しいこともあるのですが、まとまってほしいことはまずもって別なこと。
通常は決められないことは
「困ること」
です。
日常の会話に生きる!『船頭多くして船山に登る』の使い方を学ぶ
以下の会話例で。
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]このプロジェクト、リーダーが多すぎない?[/speech_balloon_left1]
[speech_balloon_right1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””] 本当に、船頭多くして船山に登る状態だよね。[/speech_balloon_right1]
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]各リーダーが細かいことを指摘して、まるで重箱の隅をつつくみたい。[/speech_balloon_left1]
[speech_balloon_right1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]そうだね、その結果、全体の方向性が見えなくなっている。[/speech_balloon_right1]
[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://kotobaimi.jp/wp-content/themes/be_tcd076/img/no-avatar.png” user_name=””]重箱の隅をつつくばかりでは、大事な部分が見逃されるよ。[/speech_balloon_left1]
「重箱の隅をつつく」
を交えて例文にしてみました。
リーダーが多い状態と言うのは、えてして関係のない方が、リーダーよりも格上の場合が多いように感じます。
リーダーがいつ決まってるにもかかわらず、立場が上の方がしゃしゃり出るパターン。
これ多くないですか?
「船頭多くして船山に登る」の正しい使い方:5つの注意点とその内容
(写真AC)
以下の点について注意が必要です。
①:文脈に合わせる:
この言葉は特定の状況、すなわち指導者や意見が多すぎて混乱する場面で使用する。
②:過度な使用を避ける:
一度の会話や文章の中で何度も繰り返し使用すると、聞き手や読み手を疲れさせる可能性がある。
③:語源や意味を正しく理解して使用:
言葉の背景や意味を誤解して使うことで、意図とは異なる印象を与えることがある。
④:相手の立場や背景を考慮する:
相手がこの慣用句を知らない、または文化的背景で異なる解釈をする可能性を考慮する。
⑤:悪意のある使用を避ける:
この言葉を使って他者を批判する際は、適切な場面や方法で伝えるよう心がける。
注意点のまとめ:
「船頭多くして船山に登る」
は日常の会話やビジネスシーンでよく使われる慣用句です。
が・・言葉の重みや背景を理解せずに使うと
「不適切な場面」
での使用や誤解を招く恐れがあります。
常に相手の立場や文脈を考慮しながら、適切に使うことが求められます。
えてして悪意のある表現。
要は「批判的」に使用する場面ですが、こちらの場合は特に注意しましょう。
「船頭多くして船山に登る」類語(類義語)類似のことわざ5選~
以下の表で。
船頭多けりゃ沖に乗り出す | 指導者や責任者が多すぎると、結果的に混乱を招くことがある。 |
役人多くして事絶えず | 役員や担当者が多すぎると、事がうまく進まないという意味。 |
下手の大連れ | 下手な人が多く集まると、かえって手間がかかることを意味する。 |
独仙四人して仙界騒ぐ | 賢い人や有能な人が多すぎると、かえって混乱を生むことがあるという意味。 |
頭多ければ議論絶えず | 指導者や意見を持つ人が多いと、議論や意見交換が絶えず、物事が進展しづらくなる。 |
- ①:左手で右手を打つ
②:八方美人
などがあります。
他、同じような諺がたくさんあるので以下の章で紹介します。
「船頭多くして船山に登る」を「船頭多けりゃ沖に乗り出す」に言い換える理由
(写真AC)
「船頭多くして船山に登る」
の言い換えとしては
「船頭多けりゃ沖に乗り出す」
を上げておきます。
同じような諺ですが、言い換えにあげた理由は以下。
「船頭多くして船山に登る」
ということわざは
①:指導者
②:責任者
が多すぎると事が進まず、かえって混乱を招くことを指しています。
類似の意味を持つ
「船頭多けりゃ沖に乗り出す」
も、「船頭(指導者)が多すぎると船が正常に進行しないという考え方から
③:組織
④:グループ
の運営においてリーダーや意見を持つ人が多すぎると
「混乱する」
という意味が共有されています。
置き換えとして多くの場面で機能すると思います。
「船頭多くして船山に登る」の反対語:「一致団結して難関を突破する」の 意味と背後にある理由
「船頭多くして船山に登るく」
の反対語は
- 「一致団結して難関を突破する」
を上げておきます。
一致団結の意味は以下の解説
集団に属する人員が、一つの共通の目的やゴールに向けて協力しあいながら物事を進めて行くさま、または、そのような状態のこと。
(デジタル大辞泉)
「船頭多くして船山に登る」
は、責任者や指導者が多すぎると
①:計画
②:事業
が滞る、混乱することを意味しています。
その反対の状態、つまり、皆が
「一致団結」
して目的や目標に向かい、
③:障害
④:困難
を乗り越える状態を表現する言葉を考えると
「一致団結して難関を突破する」
が適しています。
この言葉は
「船頭多くして船山に登る」
の対極にある言葉と認識します。
他には
「三人寄れば文殊の知恵」
も挙げられます。
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「船頭多くして船山に登る」を英語で表現すると?例文紹介
「船頭多くして船山に登る」を表す単語と例文と英語表現です。
「船頭多くして船山に登る」を表現する英単語は
- ①:「Too many cooks spoil the broth」
②:「Too many chiefs, not enough Indians」
などで表現することができます。
例文は以下。
①:Too many cooks spoil the broth:
“For such a small event, having five planners might be a case of too many cooks spoil the broth.”
(こんな小さなイベントに5人ものプランナーは、「船頭多くして船山に登る」状態かもしれない。)
“While collaboration is key, remember that too many cooks spoil the broth.”
(協力は鍵だが、船頭が多すぎると船は山に登ることも覚えておくべきだ。)
②:Too many chiefs, not enough Indians:
“The project was stalled because there were too many chiefs, not enough Indians.”
(プロジェクトは停滞していた。指導者が多すぎて、実行者が足りないからだ。)
“In meetings, it’s clear that there are too many chiefs, not enough Indians, leading to no decisions.”
(会議では、リーダーが多く、実行者が少なすぎるため、決定が下されないことが明らかだ。)
*該当表現の例文事例より
英文では日本語の
「船頭多くして船山に登る」
の直接的な表現は無さそうですね。
代わりに、比喩的な表現ともいえる、上記の表現があります。
うまく言いえていると感心します。
『船頭多くして船山に登る』から連想することわざや日本の熟語・慣用句5選」
(写真AC)
以下「船頭多くして船山に登る」と関連する表現を5つピックアップして紹介します。
①:諸手を挙げて小手を打つ
意味:多くの人々が手を出して結局失敗する。
内容:古典的な表現で、多くの人の意見や方法が交錯して結局何も進まない状況を指す。
感想:非常にイメージしやすく、グループ活動などでの混乱をうまく表している。
②:人多き所に失敗多し
意味:参加者や意見が多いところでは失敗も多い。
内容:シンプルだが強力なメッセージ。人数の多さが必ずしも良い結果を生むわけではないことを示唆。
感想:現代のビジネスシーンにも通じる普遍的な言葉。
③:石の上にも三年
意味:何事も辛抱強く続ければ成功する。
内容:「船頭多くして船山に登る」とは逆の意味で、辛抱強く続けることの重要性を強調。
感想:継続は力なりということわざと並ぶ、辛抱の大切さを伝える言葉。
④:七転び八起き
意味:失敗を繰り返しても何度でも立ち上がること。
内容:ポジティブな気持ちを持続させることの大切さを表す熟語。
感想:失敗を恐れずに挑戦し続ける姿勢を象徴する言葉として魅力的。
⑤:木を見て森を見ず
意味:部分ばかりに目を取られて全体を見失う。
内容:局所的な視点に囚われがちな現代においても、大切な教訓を伝える言葉。
感想:ディテールにこだわりすぎて、大きな流れや全体像を見失うことの危険性を教えてくれる。
似たことわざの感想まとめ:
「船頭多くして船山に登る」
は、多くの人が干渉することで
「計画が混乱」
する様を示す慣用句です。
他方、日本語にはこれと同様に
⑥:人間関係
⑦:努力
⑧:挑戦の精神
を示す数多くの言葉や熟語が存在します。
これらの言葉は、長い歴史の中で形成された日本の
「文化や価値観」
を反映しており、それぞれの背景や意味を理解することで、更なる
「知識」
や深みを感じることができます。
まさに日本語のすばらしさ・・そう言えると思います。
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「船頭多くして船山に登る」と「三人寄れば文殊の知恵」との違い解説
(写真ACより)
ここでは以下の解説を行います。
- ①:「船頭多くして船山に登る」と「三人寄れば文殊の知恵」との違い
②:「三人寄れば文殊の知恵」は反対語として機能するか?
について考察します。
「船頭多くして船山に登る」と「三人寄れば文殊の知恵」はどのように違うか?
①:「船頭多くして船山に登る」
②:「三人寄れば文殊の知恵」
は、どちらも人数や協力に関する日本のことわざです。
が・・それぞれの意味とニュアンスは異なります。
以下にそれぞれの意味と
「具体例」
を挙げて詳しく解説します。
③:船頭多くして船山に登る
意味:
船の操縦者(船頭)が多すぎると、船は進行方向が定まらず混乱し、結果として山のような場所に登ることになるという不可能な状況を意味する。
つまり、多くの人が
「責任や指揮」
を執ると、事がうまく運ばないことを示しています。
具体例:
プロジェクトのリーダーが複数おり、それぞれが異なる方針でチームを動かそうとするため、結果としてプロジェクトが遅延した。
④:三人寄れば文殊の知恵
意味:
文殊菩薩は知恵の神とされており、三人の人が集まれば、その
「集団の知恵」
が合わさって文殊のような高い知恵が出てくるという意味。
「異なる視点や知識」
を持った人々が協力すれば、良いアイディアや解決策が生まれることを示唆しています。
具体例:
ある問題を一人では解決できなかったが、同僚2人と一緒に考えた結果、新しい解決策を見つけることができた。
⑤:二つの比較・解説:
- 「船頭多くして船山に登る」:多すぎる意見や方針が混乱を招くこと
「三人寄れば文殊の知恵」:少数の協力によって生まれる良いアイディアや知恵を強調
前者は
「多すぎるコックがスープを台無しにする」
という西洋のことわざに近く
後者は
「協力」の重要性や集団の力を称賛
しています。
状況や目的に応じて、適切なことわざを選んで使用することが大切です。
「三人寄れば文殊の知恵」は反対語(対義語)として機能するか?
①:「船頭多くして船山に登る」
②:「三人寄れば文殊の知恵」
は、人数や集まった
「人々の効果」
に関する言葉として共通点がありますが、その示す内容やニュアンスが異なります。
「船頭多くして船山に登る」:
指示や意見が多すぎると、結果的に混乱を招きうまく事が運ばないという意味。
「三人寄れば文殊の知恵」:
人が集まることで新しい知恵や良いアイディアが生まれるという意味。
これらの違いを考慮すると、これらのことわざは
「対照的な状況」
を示していると言えます。
しかしながら
「船頭多くして船山に登る」は
「多すぎると悪い」
というニュアンスです。
「三人寄れば文殊の知恵」は
「集まれば良い」
というニュアンスであるため、厳密には反対語としての完全な対極には位置しないかもしれません。
それでも、ある状況や議論の中で
③:多数の意見や指示が問題を引き起こすこと
④:少数の協力が良い結果をもたらすこと
を比較・対比したい場合、これらのことわざを対照的に引き合いに出すことは可能かと感じます。
結論:
全くの対極とは言えなくとも、反対語にかなり近いニュアンスと言えるかと思います。
後は使い手の文脈と内容によるかと。
「船頭多くして船山に登る」:本記事の内容一覧表:感想とまとめ
以下の表にまとめてみました。
①:意味 | 指図する人が多いために統率が取れず混乱することのたとえ。 |
➁:語源と由来 | 文字通りの意味から |
③:使用する場面 | リーダーシップが不明確で混乱が生じる場面 |
➃:使い方を例文で | リーダーが多すぎて、船頭多くして船山に登るような混乱が生じている。 |
➄:類語 | 船頭多けりゃ沖に乗り出す・役人多くして事絶えず・下手の大連れ・他 |
⑥:言い替え | 船頭多けりゃ沖に乗り出す |
⑦:反対語 | 「一致団結して難関を突破する」 |
⑧:英語例文 | While collaboration is key, remember that too many cooks spoil the broth. |
「船頭多くして船山に登る」
この言葉を使う場面は結構ありますね~~。
最近は組織だった仕事や、個人的なことでも一人での行動が多いので縁が薄いですが、以前は結構ありました。
特に仕事上では結構あります。
自分がその部署の責任者なのに、横からしゃしゃり出る輩が多いこと。
立場が上だから、関連する方はその意見を聞くもんだから、すったもんだの結果も結構あったな~~と。
- 窓口は一つ。
責任者は一人。
決めたら口出ししない。
これを社内で徹底していました。
それでも口を出したい偉い方が多くて困った事態は多数でした。
皆さんはいかがですか?
(写真AC:私のイメージ写真)
「船頭多くして船山に登る」の良いお話:まとめ
「船頭多くして船山に登る」
の良いお話。
私のお話です。
このことわざに関しては、何にもいいことはありません・・と思っていたらあるんだな。
しかもとっておきの話が。
それはですね~~その口を出す輩を返り討ちにする手法。
「口を出す」
異常は責任を取っていただきます。
その指示を出して、指示に従って混乱した。
ならば、その混乱の原因は指示を出した方にあるという論法。
当然、その方は責任者は私だと言うに決まっています。
そこは頑張ります。
そこのところの手法を身につけると、多少のことでは干渉してきませんよ~~
「あいつには気をつけろ」
的な目で見られます。
勿論、そんなものは受けて立つ自信がないとそんなことはやれません。
その立場で終わるか、もっと上に行くかはある意味、ここで決まると私は思うんだな~~
みなさんいかがですか‥
私はそうやってきました。
口を出す以上は、そのことには責任が伴うのです。
当然です。(ビジネスなら至極当然のこと)
が・・私の良いお話です。
おかげでずいぶんと楽しませていただきました~~~
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*一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した毛越寺の萩の白い花の写真です。