「感じがする」はなぜ違和感が出る？曖昧に聞こえる理由を整理
「感じがする」は日常的な表現ですが、違和感を覚えられることがあります。
その原因は言葉の使われ方にあります。
- ・主観が強く出やすい
・判断を避けている印象になる
・内容が具体化されにくい
・相手に解釈を委ねてしまう
違和感が生まれる理由を整理します。
Contents
結論｜「感じがする」は主観が前に出すぎると違和感が出る
主観に寄った表現のため、
聞き手に「何が問題なのか」が伝わりにくくなります。
結論から言うと、
この言葉は、自分の印象や感覚をやわらかく伝える一方で、
「判断の根拠や考えの過程」
を省略してしまいます。
そのため、受け手は
・「なぜそう感じたのか」
・「どこまで確信しているのか」
を読み取れず、不自然さを覚えます。
＊違和感につながりやすい要因は次のとおりです。
- ・根拠や理由が示されない
・話し手の考えが見えにくい
・判断を避けているように聞こえる
・責任の所在がぼやける
特に説明や意見が求められる場面では、「感じがする」だけで
「終わる」
と内容が薄く見え、違和感が強まります。
違和感が強くなる場面｜説明や判断に使われたとき
「感じがする」の違和感は、使われる場面によって強くなります
。感想として使う場合は自然でも、
「説明や判断の場面」
で使われると、不足や逃げに見えやすくなります。
＊違和感が出やすい場面は次のとおりです。
- ・理由や根拠を求められているとき
・評価や判断を伝える必要があるとき
・次の行動を決める場面
・文章や報告で使われたとき
たとえば「問題なさそうな感じがする」と言われると、
「確認したのか、推測なのか」
が分かりません。
この不明確さが、
・「はっきりしない」
・「頼りない」
という印象につながり、違和感として表れます。
違和感を減らす考え方｜「感じがする」をどう扱うか
「感じがする」を使ってはいけないわけではありません。
違和感を減らすポイントは、この言葉を
「結論にしない」
ことです。
補足や前置きとして使えば、印象は大きく変わります。
＊意識したいポイントは次のとおりです。
- ・事実や判断を先に述べる
・理由や条件を簡単に添える
・主観であることを明示する
・言い換え可能か一度考える
たとえば
「数値上は問題ありませんが、少し違和感がある感じがします」
と言えば、主観であることが明確になります。
「感じがする」は便利な言葉ですが、
「位置づけ」
を誤ると違和感を生みやすい表現です。
使いどころを意識することが大切です。
❌ 誤用例｜「感じがする」を結論として使い、違和感が出るケース
言葉の中身が見えないため、
共通理解が進まず、違和感だけが残ります。
※ここでの誤用は、
理由や判断を示さず「感じがする」で済ませ、内容が薄く聞こえてしまう使い方です。
❌【日常会話】
1．感想を求められて、面白かった感じがすると答えたため、何が良かったのか伝わらなかった。
2．相談に対し、大丈夫な感じがすると返してしまい、相手に不安を残した。
3．意見を聞かれて、良さそうな感じがすると答え、考えていない印象を与えた。
4．予定について、行けそうな感じがすると曖昧に答え、判断を先延ばしにした。
5．評価を求められ、悪くない感じがすると述べ、本音が伝わらなかった。
＊感覚だけが残り、会話の中身が薄くなります。
❌【職場での会話】
1．進捗確認で、順調に進んでいる感じがすると答え、具体的な説明をしなかった。
2．判断を求められて、問題なさそうな感じがすると返し、責任を避けた印象を与えた。
3．改善案について、効果がありそうな感じがすると述べ、根拠を示さなかった。
4．納期について、間に合いそうな感じがすると答え、不安を残した。
5．指摘に対し、そこまで重要ではない感じがすると言い、軽視しているように聞こえた。
＊判断材料が不足し、違和感が強まります。
❌【ビジネスメール】
1．進捗報告で、作業は順調な感じがすると書き、状況が分からない内容になった。
2．確認依頼に、問題なさそうな感じがすると返信し、再確認を怠った印象を与えた。
3．提案文で、有効な感じがすると記し、説得力を欠いた。
4．結論部分で、改善が必要な感じがするとまとめ、曖昧さが残った。
5．期限連絡で、間に合いそうな感じがすると書き、信頼性を下げた。
＊文章では違和感が特に目立ちます。
❌【会議・打ち合わせ】
1．意見を求められて、この案が良さそうな感じがすると述べ、理由を説明しなかった。
2．結論前に、問題なさそうな感じがすると発言し、議論を止めてしまった。
3．懸念点について、影響は少ない感じがすると軽く扱ってしまった。
4．判断理由を聞かれ、そう感じるとだけ答えて説得力を失った。
5．方向性について、この流れでいい感じがするとまとめてしまった。
＊思考の浅さを疑われやすくなります。
❌【私生活に近い業務会話】
1．雑談交じりの相談で、大丈夫な感じがすると答え、相手を安心させられなかった。
2．予定調整で、行けそうな感じがすると返し、決断を避けた印象になった。
3．評価を聞かれて、悪くない感じがすると答え、本音を隠した。
4．不満について、少し違和感がある感じがすると曖昧に伝えた。
5．判断を迫られ、嫌じゃない感じがすると逃げた返答をした。
＊誠実さが伝わりにくくなります。
❌【文章・レポート】
1．結果について、成功した感じがすると書き、評価基準が不明確になった。
2．分析で、影響がある感じがすると記し、読み手に判断を委ねた。
3．考察で、有効な感じがすると多用し、内容が薄く見えた。
4．報告書で、問題はなさそうな感じがすると締め、信頼性を下げた。
5．結論として、改善が必要な感じがするとまとめ、説得力を欠いた。
＊文章の質に直結します。
⭕ 正当例｜「感じがする」を補足として使い、違和感を抑えた表現
仕事の議論では、
印象よりも理由や根拠が求められます。
⭕【日常会話】
1．映画の感想として、展開が分かりやすく楽しめたと具体的に伝えた。
2．相談に対し、今の状況なら問題ないと思うと理由を添えて答えた。
3．意見を求められ、この点が良いと感じたと説明を加えた。
4．予定について、条件が合えば参加できると状況を示した。
5．評価として、全体的に満足していると率直に伝えた。
＊気持ちや考えが伝わります。
⭕【職場での会話】
1．進捗について、予定どおり七割まで完了していると具体的に説明した。
2．判断を求められ、条件を満たしているため問題ないと説明した。
3．改善案について、過去事例から効果が見込めると述べた。
4．納期について、金曜日までに完了予定だと明確に伝えた。
5．指摘に対し、優先度は低いが対応は必要だと整理した。
＊判断の根拠が見えます。
⭕【ビジネスメール】
1．進捗報告で、作業は予定どおり進行していると具体的に記載した。
2．確認依頼に、内容を確認済みで問題ないと明記した。
3．提案文で、データを基に有効性を説明した。
4．結論部分で、改善点を三点に整理して示した。
5．期限連絡で、対応完了予定日を明確に書いた。
＊読み手が判断しやすくなります。
⭕【会議・打ち合わせ】
1．意見を求められ、この案はコスト面で有利だと理由を述べた。
2．結論前に、現時点での整理結果を共有した。
3．懸念点について、影響範囲が限定的だと説明した。
4．判断理由を問われ、過去データを基に説明した。
5．方向性について、この流れが妥当だと考える理由を示した。
＊議論が前向きに進みます。
⭕【私生活に近い業務会話】
1．相談に対し、条件が整えば問題ないと思うと理由を添えて答えた。
2．予定調整で、条件が合えば参加できると率直に伝えた。
3．評価について、全体的に満足していると正直に述べた。
4．不満について、ここが気になっていると具体的に話した。
5．判断を迫られ、迷っている点を正直に説明した。
＊誠実さが伝わります。
⭕【文章・レポート】
1．結果について、数値目標を達成したため成功と判断したと記した。
2．分析で、データから一定の影響が確認できたと書いた。
3．考察で、条件付きで有効と考えられると表現した。
4．報告書で、現時点では大きな問題は見当たらないとまとめた。
5．結論として、改善点が三点あると整理して示した。
＊文章の説得力が高まります。
違和感が生まれる構造｜「感じがする」が不安に聞こえる仕組み
「感じがする」
に違和感が生まれるのは、言葉そのものよりも、情報が途中で
「止まってしまう構造」
に原因があります。
この表現は、話し手の内側の感覚を示す言葉であり、
「客観的な事実や判断」
とは切り離されています。
そのため、受け手
・「なぜそう思ったのか」
・「どこまで確かなのか」
を補完しなければならず、不安や引っかかりを覚えます。
＊違和感を生みやすい構造は次のとおりです。
- ・判断の根拠が言葉の外に置かれている
・結論を避けているように聞こえる
・責任の所在が曖昧になる
・相手に解釈を委ねる形になる
特に、
「説明・評価・判断」
が求められる場面では、「感じがする」で話を終えると、
「考えが浅い」
あるいは決めていないという印象を与えがちです。
本来は補足向きの表現であるにもかかわらず、
「結論として使われる」
ことで、違和感が強調されてしまいます。
違和感を避ける使い方｜「感じがする」を補足に回す意識
「感じがする」による違和感を避けるためには、この言葉を
「結論にしない」
という意識が重要です。
判断や事実を先に示し、そのうえで主観を添える形にすると、受け取られ方は大きく変わります。
＊意識したいポイントは次のとおりです。
- ・事実や判断を最初に伝える
・理由や条件を簡単でも示す
・主観であることを前置きする
・言い換え可能か一度立ち止まる
たとえば
「数値上は問題ありませんが、少し違和感がある感じがします」
と言えば、主観が補足であることが明確になります。
逆に
「違和感がある感じがします」
だけでは、違和感の正体が分からず、相手に不安を残します。
「感じがする」は便利な表現ですが、使う位置を誤ると
「違和感を生む言葉」
だと理解しておくことが大切です。
参考例文
1．数値上は想定内ですが、過去の傾向と比べると少し違和感がある感じがします。
2．現時点では問題ありませんが、進行状況を見ると気になる点がある感じがします。
まとめ｜「感じがする」の違和感は使いどころで決まる
「感じがする」は主観を伝える便利な表現ですが、結論として使うと違和感が出やすくなります。
判断や事実が省略され、受け手に解釈を委ねてしまうためです。
- ・主観だけが前に出ると不安を招く
・説明や判断の場面では違和感が強まる
・補足として使えば自然になる
使う位置を意識することで、印象は大きく変わります。
「感じがする」に違和感を覚えるのは私だけ？
言葉は、使い方ひとつで印象が変わる。
今日もこの猫は、静かに日本語を見つめている。
「感じがする」
会話中に、相手から出た何気ない言葉。
さて・その感じの内容は何だ？
右か左か？
肯定か否定か？
ここで空気を読めないと
「俺言ってるの少し違うんだよな～～」
と。
なら、そんな「感じがする」でなくて具体的に言えよ！
と言いたくなりませんか？
「感じがする」
この言葉は、ある意味思わせぶりで、とても違和感を感じる言葉です。
私はそう思いますよ～～
逆に
「違和感を感じる」
こんな表現もあります。
会話の中で出てくる言葉。
例えばニュースの中で、事件の内容をを評論するに
「違和感を感じる」
という表現。
さて？？
何に違和感を感じてるのかな？
これもやはり、何か補足しないと相手の撮り方によっては、こちらの意図が伝わらないですよね。
「感じがする」
は便利な言葉ですが、使い方によってはとても違和感を感じる言葉だと思います。
皆さんは如何ですか？
＊一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した、奥州平泉毛越寺の庭園：の風景写真です。
世界遺産です。
※イメージとして、AIで作成した画像を使用しています。
