敷居が高いの意味は間違っている？本来の意味と誤用を解説

「敷居が高い」は誤用されやすい言葉です。

• ①本来は不義理などで訪問しづらい状態
  ②店や場所が立派という意味ではない
  ③現在は誤用が定着している状況
  ④例文集で正誤が分かる（理解）

本来の意味と誤用を解説します。

結論｜「敷居が高い」は現在の使い方が誤用とされる

誤用が広く使われ、定着してしまった言葉。

結論から言うと、

本来の意味は、場所や店の雰囲気ではなく、

値段の高さや雰囲気の重さとは、直接の関係はありません。

整理すると次のとおりです。

• ・本来の意味：不義理・後ろめたさで行きづらい
  ・現在の使い方：高級・難しそうで入りにくい
  ・意味の中心は「心理的負い目」

この意味のズレがあるため、
「敷居が高いの意味は間違っている？」
と疑問を持つ人が増えています。

＊「敷居が高い」の意味の詳しい説明はこちら！

「敷居が高い」の本来の意味とは｜語源から理解する

「敷居が高い」とは、本来、相手に対して後ろめたい事情があり、その家を訪ねにくい状態を表す言葉です。
敷居とは家の出入口にある部材で、
「敷居をまたぐ」
行為が心理的に重く感じられる様子から生まれました。
あくまで
「比喩表現」
であり、物理的な高さの話ではありません。

本来の意味のポイントは以下です。

• ・不義理や迷惑をかけた過去がある
  ・顔向けできない気持ちがある
  ・物理的な高さや格式は関係ない

このように、「敷居が高い」は人と人との関係性を表す言葉で、
「店の雰囲気」
を示す表現ではありません。

なぜ「敷居が高い」は誤用されるようになったのか

「敷居が高い」が誤用されるようになった理由は、心理的な
「入りにくさ」
が場所や店の印象と結びついたためです。

高級店や専門店に対して感じる緊張感が、言葉の意味を広げて解釈されるようになりました。
その結果、本来の人間関係の意味が薄れていきます。

誤用が広まった背景には次の要因があります。

• ・高級店＝入りにくいという感覚
  ・語源や本来の意味が知られていない
  ・メディアや日常会話での誤用の反復

このようにして、
「敷居が高い＝高級で近寄りがたい」
という使い方が定着しましたが、本来の意味とは異なる点に注意が必要です。

❌ 　誤用例｜「敷居が高い」を意味違いで使っているケース

訪問しづらいと感じて、踏み出せない様子。

以下は、「敷居が高い」を
高級・入りにくい・難しそうという意味で使っている誤用例です。

＊「敷居が高い」と「ハードルが高い」のちがい：詳しい説明はこちら

❌【日常会話】

1．あのレストランは高級そうで、敷居が高くて入れない。
2．初めて行く美容院は、なんとなく敷居が高く感じる。
3．常連が多そうで、敷居が高い店だと思ってしまった。
4．雰囲気が堅そうで、敷居が高くて近寄りづらい。
5．初心者には敷居が高い場所だと感じた。

＊高級感や難易度を理由にしている誤用です。

❌【ビジネス】

1．専門的な内容が多く、敷居が高い業界だと思います。
2．経験者向けで、敷居が高い仕事だと感じました。
3．格式が高そうで、敷居が高い取引先です。
4．手続きが難しく、敷居が高いサービスですね。
5．新人には敷居が高い職場環境だと思います。

＊難易度や専門性の意味で使われています。

❌【店舗・サービス】

1．価格帯が高く、敷居が高い店だと感じました。
2．高級感があり、敷居が高そうで入れませんでした。
3．常連客ばかりで、敷居が高い印象を受けました。
4．服装に気を使いそうで、敷居が高いです。
5．初心者向けではなく、敷居が高いサービスです。

＊店の雰囲気を指している誤用です。

❌【学校・習い事】

1．専門的すぎて、敷居が高い講座だと思いました。
2．経験者前提で、敷居が高い習い事です。
3．先生が厳しそうで、敷居が高く感じます。
4．上級者ばかりで、敷居が高い教室でした。
5．初心者には敷居が高い内容だと思います。

＊難易度と混同しています。

❌【文章表現】

1．この店は敷居が高いので初心者には不向きです。
2．敷居が高い雰囲気のため利用を控えました。
3．高級感があり敷居が高い印象を与えます。
4．敷居が高く、気軽に利用できません。
5．敷居が高いサービスとして紹介されています。

＊本来の意味から外れた定型表現です。

❌【ネット・口コミ】

1．値段が高くて敷居が高いと感じました。
2．初心者には敷居が高すぎるお店です。
3．雰囲気が独特で敷居が高いと思います。
4．敷居が高くて入りづらい店でした。
5．高級志向で敷居が高い印象です。

＊誤用が定着している例です。

⭕ 　正当例｜本来の意味で使われている「敷居が高い」

相手に負い目があり、行きにくい状態を表す言葉。

以下は、「敷居が高い」を
人間関係上の後ろめたさ・不義理の意味で使っている正当例です。

⭕【日常会話】

1．長く連絡していないので、今さら訪ねるのは敷居が高い。
2．迷惑をかけた手前、あの家へ行くのは敷居が高い。
3．謝っていないので、顔を出すのが敷居が高い。
4．失礼が続いていて、訪問するには敷居が高い状況だ。
5．不義理をしてしまい、敷居が高く感じている。

＊人間関係の心理的負い目を表しています。

⭕【親戚・知人】

1．以前トラブルがあり、実家に行くのが敷居が高い。
2．長年音信不通だったため、訪ねるのは敷居が高い。
3．借りを返していないので、敷居が高くて行けない。
4．失礼な態度を取ったため、敷居が高くなっている。
5．後ろめたい気持ちがあり、敷居が高い。

＊過去の行動が理由です。

⭕【近所付き合い】

1．騒音で注意されて以来、敷居が高くなってしまった。
2．迷惑をかけた家なので、敷居が高く感じる。
3．謝罪していないため、敷居が高くなっている。
4．気まずさが残り、敷居が高い状態です。
5．関係が悪化し、敷居が高くなりました。

＊気まずさが原因です。

⭕【文章表現】

1．不義理を重ねた結果、敷居が高くなったと記されています。
2．後ろめたさから、敷居が高い状況にあると述べています。
3．人間関係の悪化で、敷居が高くなった様子です。
4．失礼を詫びておらず、敷居が高い状態でした。
5．心理的な負担から、敷居が高くなったと書かれています。

＊本来の意味を正確に表しています。

⭕【物語・説明】

1．過去の裏切りにより、敷居が高くなったと描写されています。
2．主人公は不義理を悔やみ、敷居が高くなっていました。
3．関係修復できず、敷居が高いまま時間が過ぎました。
4．謝れないまま、敷居が高くなっていく様子です。
5．後悔が積み重なり、敷居が高くなったのです。

＊比喩としても正当です。

⭕【解説文】

1．敷居が高いとは、不義理で訪問しづらい状態を指します。
2．人間関係の心理的障壁を示す言葉です。
3．格式や価格の高さとは無関係な表現です。
4．後ろめたさが原因で敷居が高くなります。
5．本来は人への配慮を表す言葉です。

＊定義どおりの用法です。

判断基準｜「敷居が高い」が誤用か正当かを見分けるポイント

「敷居が高い」
が正しいかどうかを判断するには、理由が
「人間関係にあるかどうか」
を見ることが重要です。

本来の意味では、相手に対する
「不義理や後ろめたさ」
が原因で、訪ねにくい状態を表します。

場所や店の雰囲気だけを理由にしている場合は誤用になります。

判断のポイントは次のとおりです。

• ・不義理・迷惑をかけた過去があるか
  ・顔向けできない心理的負担があるか
  ・人との関係性が理由になっているか
  ・高級・難易度・格式だけを理由にしていないか

「入りにくい」と感じる理由が人ではなく場所や制度に向いている場合、
「敷居が高い」
ではなく別の表現を選ぶ方が適切です。
この視点を持つことで、誤用を防ぎやすくなります。

誤用を避けるための言い換え表現と使い分け

誤用を避けるためには、「敷居が高い」を使わずに状況に合った
「言い換え表現」
を選ぶことが有効です。
特に高級感や難しさを表したい場合、本来の意味とは異なるため注意が必要です。

使い分けの目安は以下です。

・高級そう・入りにくい → ハードルが高い／入りづらい
・難しそう・専門的 → 難易度が高い／経験者向け
・気後れする → 緊張する／気後れする

これらを使えば、意味のズレを避けつつ自然に表現できます。
「敷居が高い」は
「人間関係の文脈」
に限定して使うことで、言葉本来の意味を保てます。

＊「敷居が高い」はビジネスで使っていい言葉？使い方の説明はこちら

＊「敷居が高い」類語と言い換え表現：正しい使い方の説明はこちら

敷居が高いの意味は間違っている？誤用と正しい使い方の最終整理

ここでは、「敷居が高い」の本来の意味と、
現在広く使われている誤用との違いを整理しました。

・本来の「敷居が高い」は人間関係上の後ろめたさを表す
・高級・難しそうという意味での使用は誤用とされる
・判断基準は理由が人に向いているかどうか
・場所や制度が理由なら別の言葉に言い換える
・正しく使えば、心理的距離を丁寧に表現できる

この整理を押さえておけば、「敷居が高い」を自信を持って使い分けられます。

「敷居が高い」を正確に理解していたか？

言葉は、使い方ひとつで印象が変わる。
今日もこの猫は、静かに日本語を見つめている。

「敷居が高い」
私の解釈は、問題なく間違ってました‥ある時期まで。
なんでこんなこともわからない？？
って思っていたのですが、この誤用の方本当に多いんですね～～
私のその内の一人なのですが、内心
「おれだけじゃなかった！」
と内心安心したものでした。

本当の意味は何か粗相をして例えば
「実家に足向けられない」
「彼女には面倒掛けたので今更・・」
「相手の会社には取引での損失で迷惑かけたのでとても今更どんな面下げて・・」
などなど。

気が引けて、相手に顔向けできないという意味なんだな～
確かに。
そりゃ～～

「敷居が高い」

よな～～と、妙に納得した気分でした。
ところで、私の今の
「敷居が高い」
所ってあるか？

ないかな・あ・あった。
転職した以前の会社。
でもね～～、別に迷惑かけたわけでもないし、ただ、私の方で会いたくないだけ。
退職した会社って行けます？
私はどうしても億劫ですね～～

これはちょっと意味が違うかな。

皆さんは「敷居が高い」、これを感じる場所って・・如何ですか？

＊一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した、鳴子ダム上流の写真です。
山並みと川の風景がとてもきれいです

※イメージとして、AIで作成した画像を使用しています。