確信犯と故意犯の違いとは?意味・使い分けを分かりやすく解説

田沢湖の風景写真

確信犯と故意犯は似ているようで意味が異なります。

  • ①故意犯は結果を分かって行う行為
    ②確信犯は信念に基づく行為
    ③評価語か説明語かが違う
    ④混同すると誤用になる

違いと正しい使い分けを分かりやすく解説します。

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結論|確信犯と故意犯は「動機」と「評価軸」が違う

確信犯と故意犯

信念の有無で区別される。

結論から言うと、確信犯と故意犯は似ているようで
「本質が異なる」
言葉です。両者とも
「分かっていて行う行為」
を指す点では共通していますが、注目するポイントが違います。

故意犯は
「結果を認識して行ったか」
という行為の認識に焦点を当てる言葉です。
一方、確信犯は
「その行為を正しいと信じていたか」
という動機や信念を説明する概念になります。

整理すると次のとおりです。

・故意犯:結果を分かったうえで行った行為
・確信犯:信念に基づいて行われた行為
・評価語か説明語かが大きな違い

この違いを理解しないまま使うと、意味が混同されやすくなります

「確信犯」の意味の詳しい説明はこちら

故意犯とは何か|「分かっていてやった行為」を示す言葉

故意犯とは、自分の行為がどのような結果を生むかを
「認識」
したうえで行動した場合を指します。
ポイントは、善悪の判断や信念ではなく、「結果を予見していたかどうか」です。

特徴を整理すると以下のとおりです。

  • ・行為の結果を理解している
    ・悪意や感情の有無は問われない
    ・行為そのものの責任が問題になる

たとえば、ルール違反と知りながら行動した場合は、動機に関係なく故意犯とされます。

このように故意犯は、行為の
「認識状態」
を説明するための言葉であり、評価や思想までは含みません。

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確信犯とは何か|「信念に基づいて行った行為」を示す概念

確信犯は、自分の行為が正しいと確信したうえで行動した場合を説明する概念です。
重要なのは、「悪いと分かってやった」という点ではなく、
「正しいと信じてやった」
という点にあります。

確信犯の特徴は次のとおりです。

  • ・強い信念や価値観が動機になっている
    ・行為の是非より、動機の性質を説明する
    ・評価語ではなく分類・分析のための言葉

そのため、確信犯は非難語として使うと誤用になります。
行為者の内面や思想を説明するための言葉である点が、故意犯との決定的な違いです。

❌  誤用例|確信犯と故意犯を混同して使っているケース

故意犯のイメージ

やったと分かっていて行う行為を指す。

以下は、確信犯と故意犯の意味を混同し、
本来は「故意犯」と言うべき場面で「確信犯」を使っている誤用例です。

「確信犯」はビジネスで使っていい言葉?使い方の説明はこちら

❌【日常会話】

1.悪いと分かってやったのだから、あれは完全に確信犯だと思う。
2.注意されても直さないのは、確信犯的な嫌がらせだよね。
3.ルール違反を承知でやる人は、確信犯だと言われがちだ。
4.わざと約束を破ったなら、確信犯と言われても仕方ない。
5.バレると分かって続ける行為は、確信犯だと感じてしまう。

*「分かってやった」行為は確信犯ではなく故意犯の文脈です。

❌【ビジネス】

1.規則違反と理解したうえで行ったため、確信犯と判断しました。
2.会社方針を承知で無視する行為は、確信犯として処分対象です。
3.意図的なミスの繰り返しは、確信犯的行為と見なされます。
4.ルールを理解したうえで違反したため、確信犯と評価しました。
5.故意に問題行動を取った社員を、確信犯と呼んでいます。

*行為の認識を示す場面では「故意犯」が適切です。

❌【ネット・SNS】

1.炎上すると分かって投稿するのは、完全に確信犯だと思う。
2.叩かれるのを承知で書く人は、確信犯的だと言われがちだ。
3.わざと誤情報を流すのは、確信犯と批判されています。
4.反応狙いで投稿するのは、確信犯行為だと感じます。
5.ルール違反を承知でやる人を、確信犯と呼んでいます。

*悪意や狙いを示す文脈は故意犯の考え方です。

❌【報道・コメント】

1.違法と知りながら行った確信犯的行為と報じられました。
2.意図的違反として、確信犯であると解説されました。
3.分かってやった点を、確信犯だと強調しています。
4.確信犯という言葉で、悪質性を説明しています。
5.確信犯として厳しく処罰すべきだと述べられました。

*法律的説明としても混同が生じています。

❌【評価・批判】

1.確信犯のような態度で、反省が見られないと感じました。
2.わざとだと判断され、確信犯だと非難されています。
3.悪意ある行動を、確信犯として決めつけています。
4.確信犯だという評価が一人歩きしています。
5.故意の行為を確信犯と呼んで批判しています。

*評価語として使われており誤用です。

❌【文章表現】

1.彼の行動は確信犯であり、悪質だと記載されていました。
2.分かってやった点を確信犯と表現しています。
3.確信犯という語で、意図的行為を説明しています。
4.故意の違反を確信犯と書いていました。
5.確信犯=悪意という前提で文章が構成されています。

*動機説明と行為認識が混同されています。

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⭕  正当例|確信犯と故意犯を正しく使い分けているケース

「わざとやった」がポイント

結果を認識しながら行う点が故意犯の特徴。

以下は、確信犯と故意犯を意味どおりに使い分けている正当例です。

⭕【日常会話】

1.悪いと分かってやったなら、それは確信犯ではなく故意犯だ。
2.信念から行動したなら、確信犯と説明される場合もある。
3.結果を承知でやった行為は、故意犯と考えるべきだ。
4.正しいと信じて行ったなら、確信犯の考え方に近い。
5.動機が信念か悪意かで、言葉の使い分けが必要だ。

*動機と認識を区別して使えています。

⭕【ビジネス】

1.規則違反を理解して行ったため、これは故意犯に該当します。
2.信念や価値観に基づく行為なら、確信犯と説明できます。
3.意図的違反は故意犯として処理するのが適切です。
4.確信犯は評価語ではなく、動機説明として使います。
5.悪質性の判断には、確信犯という言葉は使いません。

*業務文脈での使い分けができています。

⭕【ネット・SNS】

1.炎上狙いで投稿したなら、それは故意犯的行為と言える。
2.信念から発信した内容なら、確信犯と捉える余地がある。
3.意図的な違反投稿は、故意犯の考え方に近い。
4.確信犯と呼ぶなら、動機の説明が必要だ。
5.結果を分かってやった投稿は、確信犯ではない。

*言葉の定義を意識しています。

⭕【報道・解説】

1.本件は故意犯か確信犯か、動機の違いが焦点となる。
2.違法性の認識があれば、故意犯として説明される。
3.思想的背景がある場合、確信犯という概念が使われる。
4.確信犯は悪質性を示す言葉ではない。
5.行為の評価と動機説明を分けて解説しています。

*専門的な整理ができています。

⭕【評価・分析】

1.悪意による行為は故意犯、信念なら確信犯と考えます。
2.確信犯は非難語ではなく、分類概念として使われます。
3.故意犯は結果認識、確信犯は動機に注目します。
4.両者を混同すると、評価が歪みます。
5.使い分けることで説明が明確になります。

*分析文脈で正しく使えています。

⭕【文章表現】

1.本稿では、確信犯と故意犯を区別して説明しています。
2.故意犯は行為の認識、確信犯は信念を示します。
3.確信犯を悪意の意味で使わないよう注意しています。
4.動機説明として確信犯という語を用いています。
5.文脈に応じて適切な用語を選んでいます。

*文章としても正当です。

判断基準|確信犯と故意犯を見分けるポイント

確信犯と故意犯を見分けるには、行為そのものではなく、
「どこに注目」
して説明しているかが判断基準になります。
多くの混同は、
「分かってやった」
という一点だけで言葉を選んでしまうことから生じます。

判断のポイントは次のとおりです。

  • ・行為の結果を認識していたか → 故意犯
    ・行為を正しいと信じていたか → 確信犯
    ・悪質性を評価していないか → 誤用の可能性
    ・動機や信念の説明になっているか → 確信犯

故意犯は、結果認識の有無を説明する言葉です。
一方、確信犯は、行為に至った内面的な信念を説明します。

非難や処分の文脈で使われている場合は、確信犯ではなく
「故意犯」
を使うのが適切です。

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誤用を避けるための言い換えと使い分け

確信犯と故意犯の誤用を避けるためには、
「言い換え表現」
を正しく選ぶことが有効です。
特に日常会話やビジネス文書では、確信犯を使う必要がない場面も多くあります。

使い分けの目安は以下です。

  • ・悪意・意図を強調したい → 故意、意図的、悪質
    ・規則違反を説明したい → ルール違反、違反行為
    ・信念を説明したい → 信念に基づく行為、価値観による判断

確信犯は専門的な説明語であり、評価語として使うと誤解を招きやすい言葉です。
迷った場合は、無理に使わず、具体的な
「状況説明」
に置き換える方が安全です。

「確信犯」類語と言い換え表現:正しい使い方の説明はこちら

「確信犯」誤用を避ける正しい使い方はこちら

確信犯と故意犯の違い|意味の混同を防ぐための最終整理

ここでは、確信犯と故意犯の違いについて、
意味・判断基準・使い分けのポイントを整理しました。

・故意犯は「結果を分かって行った行為」を示す言葉
・確信犯は「信念に基づいて行動したこと」を説明する概念
・両者は注目点が異なり、善悪の評価語ではない
・悪意や非難の文脈では確信犯は誤用になりやすい
・迷う場合は「故意」「意図的」などの言い換えが安全

この違いを押さえることで、言葉の使い分けに自信が持てます。

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「確信犯」と「故意犯」:この言葉の誤用は?

「確信犯」の誤用:正しい使い方は例文で:誤用や正しい意味を見つめるご意見番の猫の後ろ姿

言葉は、使い方ひとつで印象が変わる。
今日もこの猫は、静かに日本語を見つめている。

「確信犯」
を語る場合、正確な意味を理解してる方が、誤用している方が言う
「確信犯」=「故意犯」
に感じます。

通常の避難や、やったことはその意識をもっての行為ならこれは
「故意犯」
だと。
これはまた誤用の余地がある、重大な言葉に感じますね~~

それは「故意」に行ったことか否か?
日頃の私の行動をとってみても、たくさんの事例が出てきそうです。
自分の行動には
「確信」
を持っています。
これは誰でもそうでしょう。

そして、非難されることは「故意」には普通の方は行わないはず。
でも、故意に何かを行う行動は、日ごろもしているんだな~という考え。

言葉ってなかなかむずいですね。
考えてるとややこしくなりますが、自信がなかった場合は使わない選択肢も十分ありです。

皆さんは如何ですか?

*一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した、五月の田沢湖の写真です。
向うの山並みが湖面に映えてとてもきれいでした。

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