確信犯の意味は間違っている?誤用が広まった理由を整理

田沢湖のたつこ像の撮湖面の風景

「確信犯」は意味を誤解されやすい言葉です。
誤用される間違いの原因を以下の内容から説明していきます。

  • ①本来は善悪を超えた確信に基づく行為
    ②悪意の意味ではない
    ③日常ではなぜ誤用が定着?
    ④例文集で正誤が分理解できる

意味のズレと正しい理解を解説します。

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結論|「確信犯の意味は間違っている」と言われる理由

確信犯の誤用

わざと悪事を働く人ということで誤解されやすい。

結論から言うと、
「確信犯の意味は間違っている」
と言われるのは、本来の意味と現在の使われ方が大きくズレているためです。
日常会話では
「悪いと分かってやる人」
という意味で使われがちですが、これは本来の定義とは異なります。

ポイントを整理すると次のとおりです。

・本来の確信犯は「信念に基づく行為」を指す
・悪意やずるさを直接表す言葉ではない
・現在は否定的評価語として定着している

そのため、「間違っている」という指摘は、辞書的・法律的な意味に照らした場合に正しいと言えます。

一方で、日常語としては誤用が広く浸透しており、
「使い方のズレ」
が問題になりやすい言葉です。

「確信犯」の意味の詳しい説明はこちら

確信犯の本来の意味とは|法律用語としての定義

確信犯は、

もともと法律学で使われてきた概念で、自分の行為が正しいと確信したうえで行動することを指します。

重要なのは、「悪いと分かってやる」という点ではありません。

本来の意味の要点は以下です。

  • ・行為者が強い信念や価値観を持っている
    ・法律違反であること自体は問題ではない
    ・行為の動機が「確信」に基づいている

たとえば、宗教的・思想的信念に基づき、法律に反する行動を取る場合などが典型例です。

このように確信犯は、
「善悪の評価」
ではなく、動機の性質を説明する言葉であり、現在の一般的な使われ方とは大きな差があります。

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なぜ「確信犯=悪意ある行為」という誤用が広まったのか

「確信犯=悪意ある行為」
という誤用が広まった背景には、言葉の一部だけが強調されて理解されたことがあります。
特に「確信」という言葉が、
「分かっていてやる」
という印象に結びつきやすい点が原因です。

誤用が定着した理由は次のとおりです。

・「確信=自覚的」という連想が働いた
・メディアや会話で否定的文脈が多用された
・本来の法律用語としての説明が省略された

その結果、
・「悪質」
・「わざと」
という意味で使われるようになり、本来の意味が知られにくくなりました。
こうした背景を理解することが、
「誤用」
を見抜く第一歩になります。

❌  誤用例|「確信犯」を悪意の意味で使っているケース

確信犯と誤用

言葉の本来の意味を、正しく教える場面。

以下は、「悪いと分かってやる」「ずるい行為」という意味で
確信犯を使ってしまっている誤用例です。

「確信犯」と「故意犯」のちがい:詳しい説明はこちら

❌【日常会話】

1.彼はルール違反だと分かっていてやる、完全な確信犯だと思う。
2.注意されても同じことを繰り返すのは、もはや確信犯だよね。
3.わざと迷惑をかけている感じで、確信犯的な行動に見える。
4.バレると分かっていて続けるのは、確信犯と言われても仕方ない。
5.悪意を持ってやっているなら、それは確信犯だと思われるよ。

*悪意・故意の意味で使っており、本来の用法ではありません。

❌【ビジネス】

1.規則違反を承知で行うのは、確信犯として厳しく評価されます。
2.会社の方針を無視する行為は、確信犯的で悪質だと判断しました。
3.意図的なミスの繰り返しは、確信犯と受け取られかねません。
4.注意後も改善しない姿勢は、確信犯的行動と見なされます。
5.故意にルールを破る人を、確信犯として処分しました。

*「悪質」「故意」を表す語として誤用されています。

❌【ネット・SNS】

1.炎上狙いで投稿するのは、完全に確信犯だと思います。
2.批判されると分かって書くのは、確信犯的な行為ですよね。
3.わざと煽る投稿をする人は、確信犯だと言われがちです。
4.誤情報と知りながら拡散するのは、確信犯的だと思う。
5.反応を狙ってやるのは、確信犯にしか見えません。

*動機を「悪意」と決めつけて使っています。

❌【報道・コメント】

1.法律違反と知りながら行った確信犯的行為と報じられました。
2.悪質性が高く、確信犯であると専門家は指摘しました。
3.意図的な違反として、確信犯扱いされました。
4.分かってやった点が、確信犯だと強調されています。
5.確信犯的犯行として世間の批判を集めました。

*法律用語としても意味がずれています。

❌【評価・批判】

1.確信犯のような態度で、反省が見られないと感じました。
2.わざとだとしか思えず、確信犯的だと評価されました。
3.悪意ある行動として、確信犯と言われています。
4.確信犯だと決めつける声が多く見られます。
5.意図的なミスを確信犯と非難しています。

*感情的評価語として使われています。

❌【文章表現】

1.彼の行動は確信犯であり、悪質だと書かれていました。
2.分かってやった点が確信犯的だと表現されています。
3.確信犯という言葉で、非難の意味を強めています。
4.意図的行為を確信犯と説明していました。
5.確信犯=悪意という前提で文章が構成されています。

*本来の意味を無視した表現です。

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⭕  正当例|本来の意味で使われている「確信犯」

確信犯は「悪意」とは違う

信念による行為という本来の意味が誤解されやすい。

以下は、「自分の信念や価値観が正しいと確信して行う行為」という
本来の意味に沿った正当な使用例です。

⭕【思想・信念】

1.彼は信念に基づき行動する確信犯として歴史に名を残した。
2.法律に反しても正しいと信じる行為は、確信犯と説明される。
3.自らの価値観を貫く確信犯的行動として評価された。
4.信条に従った行動は、確信犯の典型例とされる。
5.思想的背景を持つ確信犯の行動として語られている。

*信念に基づく行為を説明しています。

⭕【社会運動】

1.社会正義を信じて行動する確信犯として紹介されました。
2.信念を貫く確信犯的姿勢が、多くの支持を集めました。
3.制度に抗議する確信犯の行動と分析されています。
4.思想的動機を持つ確信犯の例として語られます。
5.社会変革を信じる確信犯的行為と評価されました。

*善悪ではなく動機を表しています。

⭕【歴史・事例】

1.歴史上の確信犯は、信念のために行動した人物です。
2.確信犯的行為が時代を動かした例として紹介されます。
3.法律より信念を優先した確信犯の事例です。
4.思想に基づく確信犯として記録されています。
5.結果より動機を重視して確信犯と呼ばれます。

*歴史的文脈で正しく使われています。

⭕【法律・学術】

1.確信犯は動機の性質を説明する概念として用いられます。
2.学説上、確信犯は信念犯とも呼ばれることがあります。
3.善悪評価ではなく確信の有無で分類されます。
4.確信犯は法律用語として厳密に定義されています。
5.確信犯概念は刑法学で重要な位置を占めます。

*専門用語としての正当用法です。

⭕【分析・解説】

1.この行動は確信犯的で、価値観が背景にあります。
2.確信犯という言葉は動機説明に適しています。
3.信念を前提とした確信犯の行動と分析できます。
4.確信犯は評価語ではなく分類語として使われます。
5.確信犯的行為かどうかは動機で判断されます。

*評価ではなく説明目的です。

⭕【文章表現】

1.本件は確信犯として理解する必要があると述べています。
2.確信犯という概念を用いて行為を整理しています。
3.悪意ではなく信念に基づく確信犯と説明しました。
4.確信犯の定義に沿った表現が用いられています。
5.動機を説明する文脈で確信犯が使われています。

*文脈に合った正当な使用です。

判断基準|「確信犯」が誤用か正当かを見極めるポイント

「確信犯」が誤用か正当かを判断するには、行為の評価ではなく
「動機の説明」
になっているかを確認する必要があります。
多くの誤用は、「悪質」「わざと」という評価語として使われている点にあります。

判断のポイントは次のとおりです。

  • ・行為を非難・批判する文脈になっていないか
    ・「悪いと分かってやった」という意味で使っていないか
    ・行為者の信念や価値観の説明になっているか
    ・善悪の評価ではなく、動機の性質を示しているか

「確信犯」は本来、行為の是非を裁く言葉ではありません。
信念に基づいて行動した結果として、法律や規範と衝突した状態を説明する語です。
非難や処分の文脈で使われている場合は、
「誤用」
の可能性が高いと考えられます。

誤用を避けるための言い換えと使い分け

「確信犯」を日常やビジネスで使う場合、
「誤解を避ける」
ために言い換え表現を選ぶ判断が重要です。
特に悪意や意図を表したい場合は、別の言葉を使う方が安全です。

誤用になりやすい場面では、次の言い換えが適しています。

・悪意を表す → 悪質、故意、意図的
・ルール違反を強調 → 規則違反、違反行為
・評価・非難 → 問題のある行為、不適切な対応

一方、本来の意味で使いたい場合は、
・「信念に基づく行動」
・「価値観を貫いた行為」
など、補足説明を添えると誤解を防げます。

迷う場面では、無理に使わない判断も正解です。

「確信犯」はビジネスで使っていい言葉?使い方の説明はこちら

「確信犯」類語と言い換え表現:正しい使い方の説明はこちら

確信犯の意味は間違っている?誤用と本来の定義を最終整理

ここでは、「確信犯」の意味について、
本来の定義と誤用されやすいポイントを整理します。

・確信犯は本来、信念に基づいて行動することを指す言葉
・「悪いと分かってやる」という意味は本来含まれない
・日常語では誤用が定着し、否定的評価語として使われがち
・誤用か正当かは、行為の評価か動機の説明かで判断する
・非難や処分の文脈では使わない方が安全
・迷う場合は「故意」「悪質」などの言い換えが適切

この整理を押さえれば、「確信犯」を誤って使うリスクは大きく減らせます。

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「確信犯」:この言葉の誤用はちょときついかも!

「確信犯」の誤用:正しい使い方は例文で:誤用や正しい意味を見つめるご意見番の猫の後ろ姿

言葉は、使い方ひとつで印象が変わる。
今日もこの猫は、静かに日本語を見つめている。

「確信犯」
この意味を性格に理解してる人、どんくらいいるかな?
本来の意味は
・本来の確信犯は「信念に基づく行為」を指す
と有ります。

一方誤用は、
・悪意やずるさを直接表す言葉
・否定的評価
なんだな~~

皆さんはどっちですか?
「悪いことと分かって人に迷惑などの行為を行う」
これを確信犯的行動ととられるのが、どうやら今の風潮に感じます。

じつは私もある時期までそう思っていました。
実は、本来の意味はそうではなく、非常に前向きな言葉なんですね~~
大事なのは
「善悪の評価」
では無いということ。

全く違うじゃん!!
そう思ったときは結構ショックでした。

皆さんは如何ですか?

*一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した、五月の田沢湖のたつこ像の写真です。
たつこ像の向うの山並みが湖面に映えてとてもきれいでした。

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