一定程度とある程度の違いが曖昧に映る三つの理由を整理する

程度語は似た表現ほど判断に迷いが出やすい場面が多い。
- ①基準を示す言葉かどうか
②幅を示す言葉かどうか
③数値が省かれやすいです
④行政文脈で多用される
前提が省かれると印象が割れ、基準と幅の違いを読み解く視点がずれる。
Contents
一定程度とある程度が混ざると違和感が出る背景を丁寧にほどく

一定程度は量や範囲が想定でき、ある程度は幅を持たせた曖昧な表現として使われます。
「一定程度」と「ある程度」は
「一定程度」は「基準を満たすかどうか」に寄り
「ある程度」は「幅の中の目安」に寄りがちです。
聞き手は基準なのか幅なのかを読み取ろうとして、ここで
「違和感」
が出ます。
とくにニュースや行政の発表では、
「数字を出しにくい場面」
で両方が使われやすく、受け手側の想像が広がります。
- ・一定程度:合格ラインがある感じ
・ある程度:だいたいこの辺、という感じ
・基準が示されないと両者が混ざる
・会話では“次に何をするか”が止まりやすい
「曖昧さの種類」
を分けて見るだけで、受け取りのズレが減りやすくなります。
まずは「基準の話か、幅の話か」を意識すると整理しやすくなりますと感じます。
一定程度は基準寄り、ある程度は幅寄りの感覚差を見比べてみる
一定程度が出ると、聞き手は
「どんな基準を想定しているの?」
と考えます。
一方、ある程度が出ると
「どのくらいの幅で見ているの?」
と受け取りやすいです。
同じ“程度”でも、前提の置き場所が違うため、
「会話のズレ」
が生まれます。
たとえば「一定程度改善」は合否を想像し、「ある程度改善」は幅の中の位置を想像します。
政治や行政の説明では基準や幅が省かれがちで、聞き手が
「自分の物差し」
で補ってしまいます。
- ・一定程度:基準(合否・到達)を暗示しやすい
・ある程度:許容幅(だいたい・目安)を暗示しやすい
・基準も幅も言わないと、聞き手は不安になる
・『一定の』が付くと、何が一定かが抜けやすい
この感覚差を知ると、言い手の意図を推測しすぎずに済みます。
聞き手側は
「基準は何?幅はどこ?」
と確認しやすくなります。
一定の・一定水準が何を指すか省略されやすい場面を整理する
「一定の」は便利ですが、後ろに来る
「名詞が省略」
されると意味が空きます。
たとえば「一定の成果」「一定の影響」は、成果の指標や
「影響の範囲」
が抜けやすいです。
「一定水準」も同じで、水準を決める物差し(基準点・比較対象)が見えないと、客観的に聞こえるほど
「誤解」
が増えます。
ニュースや会見では断定を避けたい場面が多く、こうした
「“枠だけある言い方”」
が選ばれやすいのも特徴です。
- ・『一定の+名詞』は、名詞の中身が省かれやすい
・『一定水準』は、比較対象が不明だと宙に浮く
・数字が無いと、人によって水準の想像が変わる
・聞き手は自分の経験で穴埋めしやすい
枠(一定)と中身(指標)を分けて考えると、言葉の曖昧さが見えます。
中身を一つでも置くと、同じ表現でも受け取りが安定しやすいです。
❌ 誤用例|曖昧な程度語を結論として置くケースを分けて見る

役割や量が決まっており、決められた分だけ作業する場面では「一定程度」が合います。
※ここでの誤用は
「一定程度/ある程度/一定の/一定水準」
を、基準・幅・指標を示さないまま“結論の代わり”に置き、聞き手の想像に任せてしまう使い方を指します。
意図が悪いという話ではなく、情報が抜けた結果として起きるズレに注目します。
❌日常会話
1.『一定程度はできたよ』とだけ言い、結果の位置が分からなくなった
2.『ある程度で大丈夫』と幅を示さず、相手の判断を止めてしまうよ
3.『一定の量かな』と根拠なく言い、数字感だけを残してしまったね
4.『一定水準だと思う』と比較を出さず、評価だけ先に置いてしまう
5.『ある程度は進むよ』と期限も条件も言わず、軽く返事をしてしまう
6.『一定程度は必要』と目的を言わず、強めの言葉で押してしまった
👉「基準か幅か」が不明だと、会話の次の一手が止まりやすいです。
❌ビジネス会話
1.『一定程度の改善です』と説明し、どこが変わったか伏せてしまう
2.『ある程度は対応済み』と言い、残り範囲を相手に探させてしまった
3.『一定の基準は満たす』とだけ述べ、基準の中身を省いてしまった
4.『一定水準を確保します』と言い、いつ誰が判断するか外してしまった
5.『ある程度のリスク』と表現し、大小の判断材料を渡さないままだ
6.『一定程度で結構です』と言って、期待値を曖昧に下げてしまったよ
👉“達成”なのか“目安”なのかが曖昧だと、合意形成がズレやすいです。
❌ビジネスメール
1.『一定程度ご確認ください』と書き、どこまで見るか伝えられていない
2.『ある程度で構いません』と送り、品質ラインを文章に残せなかった
3.『一定の修正を反映』とだけ記し、修正点の一覧を付け忘れてしまう
4.『一定水準に達したら提出』と書き、判定者と期限が空白のままだ
5.『ある程度の資料で』と頼み、必要項目を相手の勘に任せてしまった
6.『一定程度で一旦共有』と書き、未確定箇所を示さず送ってしまう
👉メールは後で読み返されるので、“どこまで”の欠落が誤解に直結します。
❌会議
1.『一定程度まとまりました』と報告し、決定事項と宿題が混ざってしまう
2.『ある程度合意です』と言い、反対点の残りを議事録に残さなかった
3.『一定の方向性』とだけ言って、選択肢の比較軸を置き去りにした
4.『一定水準ならOK』と結論し、評価項目の数や重みを示していない
5.『ある程度のコスト増』と言い、幅と前提条件を説明せず進めてしまう
6.『一定程度で次へ』と促し、確認不足の不安だけが会議に残ったね
👉会議は「決めたこと」が大事なので、程度語だけだと記録が弱くなります。
❌ニュース・政治
1.『一定程度の成果』と発表し、成果指標の数字を出さずに終えてしまう
2.『ある程度想定内』と述べ、想定の幅を聞き手が推測する形になる
3.『一定の影響がある』と言い、誰にどれほどかを避けてしまったまま
4.『一定水準の安全』と説明し、安全基準の根拠を語らないままだった
5.『ある程度の増額』と発言し、予算規模の輪郭が見えなくなったね
6.『一定程度検討する』と言い、検討の項目と期限が消えてしまうよね
👉“枠だけ”が残ると、受け手が自分の尺度で穴埋めして割れやすいです。
❌文章
1.本文で『一定程度』を連発し、読者が数値を想像できなくなってしまう
2.『ある程度』だけで段落を締め、結論の強さが読み取れなくなるよね
3.『一定の条件』と書き、条件の列挙を後回しにして混乱を招いたよ
4.『一定水準』と置き、比較対象の説明を省いて説得力が薄くなるよね
5.『ある程度』を便利に使い、主張の根拠がさらにぼやけて見えてしまう
6.『一定程度』で逃げた結果、読み手の解釈が大きく分かれてしまった
👉読者は文中の空白を埋めるので、程度語が多いほど解釈が分岐します。
⭕ 正当例|程度語を補足情報で具体化する使い方を分けて見る

進み具合の目安は「ある程度」、作業量の区切りは「一定程度」と使い分けています。
*程度語は、情報が確定しないときの便利な“枠”です。
正当な使い方は、その枠に「基準」「幅」「指標」などの補足を少し足し、聞き手の想像の幅を狭める形です。
断言ではなく、受け取りの差を小さくする工夫として見ていきます。
⭕日常会話
1.『ある程度=7割くらい』と添えて、相手の想像幅を少し小さくした
2.『一定程度=基準を満たす』と説明し、基準例も一つ示して話した
3.『一定の量=500g前後』と数字を添え、買い物の迷いを減らした
4.『一定水準=前回と同じ点数』と比べ先を示し、誤解を避けられる
5.『ある程度進んだ=下書き完成』と段階名を置き、状況を共有した
6.『一定程度必要=最低3回』と回数を入れ、行動の目安を作れたよ
👉“目安の置き方”が見えると、同じ程度語でも伝わりやすくなります。
⭕ビジネス会話
1.『一定程度の改善=不良率2%減』と示し、評価軸を先に合わせる
2.『ある程度対応=AとBは完了』と範囲を切り、残りを明確にする
3.『一定の基準=社内SLA』と言い、参照先をその場で共有しておく
4.『一定水準を確保=合格点80』と述べ、判定者も同時に示して話す
5.『ある程度のリスク=遅延1週間』と幅を置き、前提条件も添える
6.『一定程度で結構=提出版は要点のみ』と定義し、期待値を揃える
👉“基準・範囲・前提”のどれか一つで、誤解の余地が減りやすいです。
⭕ビジネスメール
1.『一定程度ご確認=誤字と数値』と範囲を明記し、所要時間も添える
2.『ある程度で構いません=1枚目まで』と書き、品質線を文章で残す
3.『一定の修正=3点』と件数を入れ、箇条書きで変更箇所を示した
4.『一定水準で提出=チェック表○印』と書き、期限も併記して送る
5.『ある程度の資料=項目5つ』と示し、必須と任意を分けて頼めた
6.『一定程度で一旦共有=未確定は赤字』と書き、読み手の注意を誘導
👉メールでは“後から再現できる補足”が、ズレ防止に効きやすいです。
⭕会議
1.『一定程度まとまり=決定2件』と数え、宿題も別枠で整理して言う
2.『ある程度合意=反対1点のみ』と残りを示し、次回までの手順を置く
3.『一定の方向性=案B採用』と決め、理由の比較軸を一行で添える
4.『一定水準ならOK=指標3つ達成』と述べ、議事録に基準を残した
5.『ある程度のコスト増=+10%以内』と幅を決め、前提も共有して進める
6.『一定程度で次へ=検証完了が条件』と条件を置き、拙速を避けた
👉会議は“決定・条件・残課題”を分けると、程度語が生きてきます。
⭕ニュース・政治
1.『一定程度の成果=待機1割減』と示し、指標名も同時に説明する
2.『ある程度想定内=想定幅±5%』と述べ、根拠資料の存在も触れる
3.『一定の影響=対象は中小2万社』と範囲を示し、影響内容も添える
4.『一定水準の安全=基準値以下』と説明し、基準名をその場で示した
5.『ある程度の増額=追加200億円』と数字を入れ、使途も並べて話す
6.『一定程度検討=3案を月内提示』と宣言し、期限と手順を明らかにする
👉“枠+最小の中身”があると、受け手の想像が暴れにくくなります。
⭕文章
1.『ある程度』の後に括弧で『6割前後』と補足し、読者の解釈を揃える
2.『一定程度』は『合格基準80点』のように、判定軸とセットで書く
3.『一定の条件』は箇条書きで列挙し、抜けを読者が追える形にする
4.『一定水準』は比較対象を先に置き、どれと同じかを文章で示そう
5.曖昧語の直後に『対象・期間・数値』を添え、誤解の余地を減らす
6.結論の強さは『最低限/目安』で補い、読み手の受け止め差を縮める
👉文章は“読者が穴埋めする前に補足する”と、誤解が分岐しにくいです。
程度語は、補足が一つ入るだけで「基準の話」「幅の話」が見えやすくなります。
枠を残しつつ中身を添えると、曖昧さが説明の道具になりやすいです。
政治・行政で一定程度が多用されやすい言い回しの理由を整理
ニュースや政治の場面では、
「数字や基準」
をその場で断定しにくいことがあります。
そのとき便利なのが
「一定程度」「一定の」「一定水準」
などの“枠だけ先に置く言い方”です。
聞き手は枠に中身を入れようとして、自分の経験や期待で補います。
ここで受け取りが割れやすくなります。
発表資料でも同様で、詳細が確定する前に
「概要だけ」
を伝えるときに程度語が残りやすい傾向があります。
- ・会見は言い直しが難しく、慎重な語が選ばれやすい
・行政文書は一律表現を好み、程度語が残りやすい
・数値が出せないとき、幅を示す代替になる
・受け手は“自分の物差し”で穴埋めしやすい
構造を知っておくと、聞き手は
「何の指標?どの範囲?」
と落ち着いて確認できます。
言葉の枠と中身を分けて見ると、誤解の起点が見えやすくなります。
言い換え・類語整理で程度語を具体化して伝えるコツを並べる
程度語を避けるというより、
「中身を少し足して幅を具体化する」
と考えると扱いやすいです。
一定位程度は
「“基準”」
を、ある程度は“幅”を連想しやすいので、目的に合わせて補足を選びます。
また「一定の」「一定水準」は枠だけが残りやすいので、
「参照先(規程・前回・基準値)」
を一つ置くと安定します。
- ・基準を言いたい:『合格ライン』『最低条件』『到達点』を添える
・幅を言いたい:『目安』『上限下限』『だいたい○割』を添える
・対象を絞りたい:人/部署/地域など範囲を先に置く
・時間を絞りたい:いつ時点か、期間はどこかを書く
・根拠を示したい:資料名や判断者を一語だけ添える
同じ“程度”でも、
「対象・期間・指標」
のどれか一つが入るだけで、誤解はかなり小さくなります。
言い換えは態度ではなく、
「情報の粒」
をそろえる工夫として使えます。
*参考例文:
・一定程度の改善、の代わりに『不良率が2%下がる見込み』と数字で添えると良い
・ある程度進んだ、の代わりに『下書き完成で残りは清書』と段階名を入れると安心
まとめ|一定程度とある程度の違いを誤解なく整理して終える
一定程度は基準、ある程度は幅。
- 似ていても前提が違うと受け取りが割れます。
・基準なのか幅なのかを先に分けて考える
・一定の/一定水準は指標や参照先を一つ置く
・対象・期間・数値のどれかを足して具体化する
・ニュース文脈は“枠だけ”になりやすいと知って聞く
迷いが出たら、中身を一語だけ足して確認すると誤解が小さくなります。
「一定程度」とある程度の使い分けはムズイな

言葉は、使い方ひとつで印象が変わる。
今日もこの猫は、静かに日本語を見つめている。
「一定程度」
とある程度って使い分けってできますか?
さて?
最近こういう言葉を使う機会が少ないので、少し考えさせられます。
でも‥これってやっぱし使ってましたね・・私は。
「一定程度の基準をクリアしているので、まずは合格ラインかな」
でも、これは完成ではないわけです。
基準をすべてクリアしているわけではなく、まだ前途があるんだな。
が・・まずはここがクリアする、第一関門(最初なら)なわけです。
一方「ある程度」って・
これは、基準に至るまでの、半歩前進、または一歩前進の状態の意味だな。
仕事ってそんなもんですよね。
目標に対して、どんだけ進んだか?
それを計る、目安みたいなものがあってしかるべき。
でもね~~この程度問題だけを議論してると
「お前何時まで同じことやってんだ?」
と怒鳴られることも多数あったイメージ。
いやのことまで思い出してしまいました。
皆さんは如何ですか?
*私の個人的な感想です。
*一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した、御所湖から見た岩手山の風景写真です。
とてもいい写真です。
※イメージとして、AIで作成した画像を使用しています。








