敷居が高いとハードルが高いの違いとは？意味と使い分けを解説
「敷居が高い」と「ハードルが高い」は似ているようで意味が異なります。
- ①敷居が高いは人間関係の後ろめたさ
②ハードルが高いは難易度の高さ
③混同しやすい表現
④使い分けが重要
違いを分かりやすく解説します。
Contents
結論｜「敷居が高い」と「ハードルが高い」は意味の軸が違う
「敷居が高い」は相手への気まずさや心理的な遠慮、
「ハードルが高い」は達成するための難しさを表す言葉。
結論から言うと、「敷居が高い」と「ハードルが高い」は、似た場面で使われがちですが、
「意味の軸」
がまったく異なる言葉です。
混同の原因は、どちらも
・「近づきにくい」
・「簡単ではない」
という印象を与える点にありますが、理由が違います。
整理すると次のとおりです。
・ハードルが高い：条件や難易度の高さが原因
・心理の向き：人に向くか、条件に向くか
「敷居が高い」は、相手に対する不義理や気まずさといった
「心理的負担」
を表します。
一方、「ハードルが高い」は、必要な条件や要求水準が高いという
「客観的な難しさ」
を示す言葉です。
この違いを理解すれば、誤用は自然と減ります。
「敷居が高い」の意味｜人間関係が理由で近づきにくい状態
「敷居が高い」とは、本来、
値段や格式の高さを指す表現ではありません。
あくまで、人と人との関係性が理由になります。
特徴を整理すると次のようになります。
- ・不義理や迷惑をかけた過去がある
・顔向けできない気持ちがある
・心理的な負担が原因で行きづらい
たとえば、長く連絡を取っていない親戚や、失礼をしてしまった知人の家に行く場合、
「敷居が高い」
と表現できます。
このように、「敷居が高い」は人への配慮や気まずさを含んだ言葉であり、店やサービスの
「難易度」
を表すのには向いていません。
「ハードルが高い」の意味｜条件や難易度が高い状態
「ハードルが高い」は、
人間関係の感情は含まず、
「内容や条件の難しさ」
に焦点が当たります。
主な特徴は次のとおりです。
- ・専門知識や経験が必要
・条件や要求が厳しい
・客観的に難しいと判断できる
たとえば、
・「この資格試験はハードルが高い」
・「この仕事は初心者にはハードルが高い」
といった使い方が代表的です。
この場合、心理的な後ろめたさは関係なく、
「必要なレベルや条件の高さ」
を示しています。
「入りにくい理由」が条件に向いているなら、
「ハードルが高い」
を選ぶのが適切です。
❌ 誤用例｜「敷居が高い」と「ハードルが高い」を混同しているケース
入れない原因が気まずさなのか、難易度なのかを立ち止まって見極める場面。
以下は、本来「ハードルが高い」と言うべき場面で、
誤って「敷居が高い」を使っている誤用例です。
＊「敷居が高い」類語と言い換え表現：正しい使い方の説明はこちら
❌【日常会話】
1．この資格試験は内容が難しくて、敷居が高いと思う。
2．初心者向けではなく、敷居が高い趣味だと感じた。
3．条件が厳しすぎて、敷居が高くて手が出ない。
4．専門知識が必要で、敷居が高い分野だと思う。
5．経験者向けなので、敷居が高く感じてしまった。
＊難易度を理由にしており、本来は誤用です。
❌【ビジネス】
1．要件が多く、敷居が高いプロジェクトだと思います。
2．高度なスキルが必要で、敷居が高い仕事ですね。
3．参入条件が厳しく、敷居が高い市場です。
4．実績重視のため、敷居が高い案件だと感じます。
5．専門性が高く、敷居が高い業務内容です。
＊条件や要求水準を指しているため誤用です。
❌【店舗・サービス】
1．料金設定が高く、敷居が高いサービスだと思った。
2．手続きが複雑で、敷居が高い印象を受けた。
3．会員条件が厳しく、敷居が高いと感じました。
4．初心者には敷居が高いサービス内容です。
5．利用条件が多く、敷居が高い仕組みだと思う。
＊条件の厳しさを表しており不適切です。
❌【学校・学習】
1．専門用語が多く、敷居が高い講座だと感じた。
2．上級者向けで、敷居が高い授業内容でした。
3．前提知識が必要で、敷居が高いと感じます。
4．課題が難しく、敷居が高い学習環境です。
5．経験者前提のため、敷居が高いと感じました。
＊学習難度は敷居ではありません。
❌【文章・紹介文】
1．初心者には敷居が高い内容となっています。
2．条件が厳しく、敷居が高い企画です。
3．専門的で敷居が高い印象を与えます。
4．参加要件が多く、敷居が高いイベントです。
5．難易度が高く、敷居が高い構成です。
＊意味のズレが文章に表れています。
❌【ネット・口コミ】
1．難しそうで敷居が高いサービスだと思いました。
2．初心者には敷居が高すぎる内容です。
3．条件が多く敷居が高い印象でした。
4．専門的すぎて敷居が高いと感じます。
5．敷居が高くて挑戦できませんでした。
＊誤用が定着している例です。
⭕ 正当例｜意味に応じて正しく使い分けているケース
目の前の障害が「心理的な遠慮」なのか、「乗り越える難しさ」なのかを考える瞬間。
以下は、「敷居が高い」と「ハードルが高い」を
意味に応じて正しく使い分けている正当例です。
⭕【日常会話】
1．この資格試験は難易度が高く、ハードルが高いと思う。
2．初心者には条件が厳しく、ハードルが高い趣味だ。
3．経験が必要なので、ハードルが高く感じてしまう。
4．要件が多く、挑戦するにはハードルが高い。
5．内容が専門的で、ハードルが高い分野だと思う。
＊条件や難易度を正しく表しています。
⭕【ビジネス】
1．要件が多いため、ハードルが高いプロジェクトです。
2．高度なスキルが必要で、ハードルが高い仕事です。
3．参入条件が厳しく、ハードルが高い市場です。
4．実績重視なので、ハードルが高い案件になります。
5．専門性が高く、ハードルが高い業務内容です。
＊客観的な難しさを示しています。
⭕【店舗・サービス】
1．料金が高めで、気軽に利用しにくいサービスです。
2．条件が厳しく、利用のハードルが高い仕組みです。
3．会員制のため、参加のハードルが高いです。
4．初心者には少しハードルが高い内容です。
5．手続きが多く、利用のハードルが高いと感じます。
＊理由を具体化しています。
⭕【学校・学習】
1．専門用語が多く、初心者にはハードルが高い講座です。
2．上級者向けのため、参加のハードルが高いです。
3．前提知識が必要で、学習のハードルが高いです。
4．課題が難しく、ハードルが高い内容でした。
5．経験者前提で、ハードルが高い授業です。
＊学習条件に合った表現です。
⭕【文章・紹介文】
1．初心者には難易度が高く、ハードルが高い内容です。
2．参加条件が多く、ハードルが高い企画となっています。
3．専門性が高いため、ハードルが高い構成です。
4．要件が厳しく、ハードルが高い点が特徴です。
5．挑戦には一定の準備が必要で、ハードルが高いです。
＊説明文として自然です。
⭕【人間関係】
1．失礼をしてしまい、その家に行くのは敷居が高い。
2．長く連絡を取っておらず、敷居が高く感じている。
3．迷惑をかけた手前、訪問するのは敷居が高い。
4．気まずい関係なので、敷居が高くなっている。
5．後ろめたさがあり、敷居が高くて行けない。
＊人間関係の文脈で正しく使えています。
判断基準｜「敷居が高い」と「ハードルが高い」を見分けるポイント
「敷居が高い」と「ハードルが高い」を見分ける最大の
「判断基準」
は、理由がどこに向いているかです。
どちらも「近づきにくい」「簡単ではない」という印象を与えますが、
「意味の軸」
は明確に異なります。
判断のポイントを整理すると次のとおりです。
- ・人間関係の気まずさや後ろめたさが理由か
・相手に顔向けできない心理的負担があるか
・条件・難易度・要求水準の高さが理由か
・客観的に見て達成が難しい内容か
人に向いた理由で行きづらい場合は「敷居が高い」、
条件や内容に向いた理由で難しい場合は「ハードルが高い」が適切です。
この視点を持つだけで、両者の混同はほぼ防げます。
誤用を防ぐ言い換えと使い分けの考え方
誤用を防ぐためには、「敷居が高い」を無理に使わず、状況に合った
「言い換え」
を選ぶことも有効です。
特に人間関係が理由でない場合は、別の表現の方が正確になります。
使い分けの目安は次のとおりです。
・条件が厳しい → ハードルが高い／要求水準が高い
・難易度が高い → 難しい／上級者向け
・入りづらい雰囲気 → 入りづらい／気後れする
これらを使えば、意味のズレを避けながら自然に表現できます。
「敷居が高い」
は人間関係の文脈に限定して使うことで、本来の意味を正しく保てます。
＊「敷居が高い」はビジネスで使っていい言葉？使い方の説明はこちら
敷居が高いとハードルが高いの違い｜混同を防ぐための最終整理
ここでは、「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いについて、
意味の軸と使い分けの
「判断基準」
を整理しました。
・敷居が高いは人間関係の後ろめたさを表す言葉
・ハードルが高いは条件や難易度の高さを示す表現
・判断基準は理由が人に向いているか条件に向いているか
・難しさや専門性は「ハードルが高い」が適切
・正しく使い分けることで誤用や違和感を防げる
この整理を意識すれば、両者を迷わず使い分けられます。
「敷居が高い」とハードルが高いは判断基準が違う！
言葉は、使い方ひとつで印象が変わる。
今日もこの猫は、静かに日本語を見つめている。
「敷居が高い」
はある時期まで、私も誤用を信じていました。
お店や、一段ランクが上がってる対象には近づきがたく、それを評するには
「敷居が高い」
が正当であると。
しかし違ってたんですね～～
わたしにはそもそも、その「敷居が高い」の本来の意味に関するような、気まずくて・・そんなことはほぼほぼなかったですからね～
仕事上で、気まずいことがあっても
「なんとかせねば！」
そんな意識でしたから。
が・・それも疲れてしまって、やっぱり敷居が高いでしたね～～（気が付くのが遅かったかな・・・多分）
「ハードルが高い」
は数値的な物だとは認識していました。
「売り上げ目標」
「自分の給料では・・」
そんな状態。
ハードルが高いは、今でも感じるな～～何かにつけ。
克服しないといけないものは結構ある感じ。
皆さんは如何ですか？
＊一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した、鳴子ダム（荒尾湖）の写真です。
とてもきれいな風景です。
※イメージとして、AIで作成した画像を使用しています。
