「個人的には」の意味とは?主観を和らげる便利語の正しい使い方

- 「個人的には」は、自分の意見があくまで私見であることを示す表現です。①:主観であることを和らかく伝える
②:相手との衝突を避けやすい
③:距離を取る印象を与える場合がある
④:使い方次第で責任回避に聞こえる
意味と注意点を例文で解説します。
Contents
結論|「個人的には」は主観を明示するためのクッション表現

自分の考えが一般論でないことを示しあくまで私見として意見を述べるときに使う言葉
「個人的には」は、
断定を避け、相手との衝突を和らげる役割があります。
・あくまで自分の考えである
・他人の意見を否定しない
・議論を柔らかく始める
という効果があり、
会話やビジネスの場でも多用されます。
一方で、
責任を負いたくないときや、強い主張を避けたい場面で使われることも多く、
・「逃げ」
・「予防線」
と受け取られる場合があります。
「個人的には」は、
使いどころを誤ると印象が下がる言葉です。
「個人的には」の本来の意味と語源的な成り立ち
「個人的には」は、
「個人」と「的」を用いた日本語表現で、
集団や一般論と切り離した意見を示します。
・には=範囲や条件を限定
つまり、
「この意見は私個人のものです」
という前置きを言語化した表現です。
語源的にも、
責任を限定する意図が含まれており
「発言の影響」
を和らげる役割を持っています。
そのため、
公的な判断や公式見解には向かず、あくまで
「私見」
を述べる場面で使われます。
なぜ「個人的には」は責任回避に聞こえるのか
「個人的には」は、
発言の前に置かれることで、
責任の所在を曖昧にします。
- ・一般論ではないと逃げられる
・後から撤回しやすい
・強い反論を避けられる
こうした性質から、
多用すると
「本音を言っていない」
「立場を明確にしない」
と感じられることがあります。
特に、
意思決定や判断を求められる場面では
「頼りなく映る」
ことが多い表現です。
❌誤解を招きやすい「個人的には」の誤用例

はっきり言いきらず
一歩引いた立場から様子をうかがう表情
「個人的には」は便利ですが
「重要な判断」
や意見表明の場面で使うと
「責任逃れ」
や消極的な印象を与えることがあります。
以下は誤解されやすい例です。
❌【ビジネス】
1.個人的にはこの案でいいと思いますが、決定はしません。
2.個人的には問題ないですが、責任は持てません。
3.個人的には賛成ですが、公式意見ではありません。
4.個人的には可能ですが、対応は任せます。
5.個人的にはそう思いますが、関与はしません。
❌【社内】
6.個人的には反対ですが、判断は避けます。
7.個人的には知りません。
8.個人的には意見はありますが、言いません。
9.個人的には違うと思います。
10.個人的には関係ありません。
❌【日常】
11.個人的には興味ないかな。
12.個人的にはどうでもいいです。
13.個人的には関わりたくないです。
14.個人的には別にいいです。
15.個人的にはそう感じます。
❌【メール】
16.個人的には問題ないと考えます。
17.個人的にはそのように認識しています。
18.個人的には以上です。
19.個人的には判断しかねます。
20.個人的には対応不要です。
❌【SNS】
21.個人的には微妙。
22.個人的には賛成しかねる。
23.個人的にはおすすめしない。
24.個人的には意見なし。
25.個人的にはノーコメント。
⭕配慮が伝わる「個人的には」の正しい使い方
「個人的には」は、
前提や理由を添えることで、
柔らかく誠実な意見表明になります。
⭕【ビジネス】
1.個人的には、過去の実績を踏まえるとこの案が適切だと考えます。
2.個人的には、現状では慎重に進めたほうがよいと思います。
3.個人的には、コスト面を考慮すると別案も検討すべきです。
4.個人的には、スケジュールに余裕を持たせたいと考えています。
5.個人的には、この方向性で進める価値があると思います。
⭕【社内】
6.個人的には、前回の反省点を活かす必要があると感じています。
7.個人的には、チーム全体の負担を考慮した進め方がよいと思います。
8.個人的には、早めに共有したほうが混乱が少ないと考えます。
9.個人的には、別の選択肢も検討する余地があると思います。
10.個人的には、今回の方法が最も現実的だと感じました。
⭕【日常会話】
11.個人的には、もう少し様子を見てから決めたいと思っています。
12.個人的には、このやり方のほうが続けやすいと感じています。
13.個人的には、無理をしない選択が大事だと思います。
14.個人的には、今は控えたほうがいい気がしています。
15.個人的には、こちらのほうが自分には合っていると思います。
⭕【メール】
16.個人的には、現時点ではこの案が妥当だと考えております。
17.個人的には、条件を整理したうえで再検討したいと考えます。
18.個人的には、参考資料を踏まえて判断すべきだと思います。
19.個人的には、今回の件は慎重に進めたいと考えております。
20.個人的には、この内容で一度試してみる価値があると思います。
⭕【SNS・発言】
21.個人的には、経験上この方法が一番安定していると思います。
22.個人的には、情報を整理してから判断したほうが良いと感じます。
23.個人的には、この視点も考慮すべきだと思います。
24.個人的には、現段階では結論を急がないほうが良いと思います。
25.個人的には、この意見も一つの考え方として共有したいです。
「個人的には」の言い換え表現と場面別の適切な使い分け

相手の判断を尊重しつつ、自分の意見をそっと添える雰囲気
「個人的には」
は、主観であることを示す便利な表現ですが
「使いどころ」
を誤ると、逃げ腰や消極的な印象を与えがちです。
そのため、発言の目的や関与度に応じて言い換えることが有効です。
①:意見を明確に示したい場合
・「私の考えでは」
・「私見ですが」
→ 主観である点を保ちつつ、責任感を示せる
②:判断や立場をはっきりさせたい場合
・「担当としては」
・「現時点での判断としては」
→ 業務上の立場が明確になる
③:柔らかさを保ちたい場合
・「現状では」
・「今のところは」
「個人的には」は、
意見を和らげたい場面向けの表現です。
言い換えを使い分けることで、
配慮と分かりやすさの両立が可能になります。
ビジネス・日常で「個人的には」を使う際の注意点
「個人的には」は、
衝突を避けるクッション言葉として有効ですが、
多用すると評価を下げることがあります。
- ①:判断を求められる場面では使いすぎない
②:理由や根拠を必ず添える
③:責任の所在を曖昧にしない
特にビジネスでは、
「個人的には〜と思います」
だけで終わると、意思決定を避けている印象を与えます。
そのため、
結論・理由・次の行動を簡潔に補足することが重要です。
日常会話でも、
無意識に多用すると
「はっきりしない人」
という印象を持たれやすくなります。
場面に応じて使う意識が必要です。
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*「個人的には」と同様に、似たようなな意味合いを持つ言葉として、
「ご参考までに」も誤解されやすい日本語表現です。
*「個人的には」と同様に、似たようなな意味合いを持つ言葉として、
「可能であれば」も誤解されやすい日本語表現です。
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まとめ|「個人的には」は距離感を調整するための表現
「個人的には」は、
自分の意見が一般論ではないことを示し、
相手との衝突を避けるための表現です。
- ・主観であることを明示できる
・意見を柔らかく伝えられる
・多用すると責任回避に見える
理由や立場を補足せずに使うと、
消極的な印象を与えることがあります。
意見を述べる際は、
なぜそう考えるのかを添えることで、
配慮と誠実さを両立できます。
「個人的には」を多用すると自慢や責任回避に見えてしまう!

言葉は、使い方ひとつで印象が変わる。
今日もこの猫は、静かに日本語を見つめている。
私個人では
「個人的には」
この言葉はそう使う頻度は高くはなかった印象。
サラリーマン時代(定年前)には、会議などで使うことはあったように記憶しますが、頻度は極めて低かったと記憶しています。
今思うと・・多分・・今もそう思ってますが、この言葉の裏にはやはり
「私はこう思うのですが、外れてるかもしれない、しかしそれはあくまでも私個人の意見である」
多様化の時代ですから、個が重んじられるのは結構な時代ですが、これでは最初化責任逃れに見えなくはないですか?
私はそう思って、発言の場合は子は封じてあくまでも
「客観論」
で話してました。
それが私の断らなくても
「個人的」
な意見だから。
それとこういう方もいます。
「ぼく個人では」
「個人的には私は・・・」
これを多用する方・・・周囲にいませんか?
だから何?
の世界ですね~~明らかにこれは自慢に見えます。
マウントを取りに行く常套手段?
かな~~などと今の時代では。
皆さんは如何ですか?
*一番上のヘッダーの写真はわたしが撮影した、宮城県の栗駒山の残雪の5月の風景写真です。
とても勇壮な景色に感じます。















